オヤジについて

 中谷彰宏『オヤジにならない60のビジネスマナー』(PHP)を読んだ。中谷さんの本は、字が大きくスペースもふんだんにあり、なにしろ内容が簡単なので20分もあれば読めてしまう。楽でいい。中身はオヤジへの忠告だった。
「オヤジは、エレベーターのボタンを押さない。」
 よかった。ワシャは押しますぞ。
「オヤジは、いばることをアピールだと勘違いしている。」
 ワシャはえばらない。
「オヤジは、説教と自慢しかしない。」
 説教はされることはあっても、することはない。自慢は?する特技がありまへん。
「オヤジは、お客になると急に高飛車になる。」
 気が小さいので低香車くらいだ。
「オヤジは、大股開きで座る。」
 新幹線でも遠慮しながら座ってまっせ。
「オヤジは、触り方がねちっこい。」
 これは少々説明を要する。ここで言う「触り方」というのは、ホステスやコンパニオンを触るということではなく、部下や近しい関係者に親しみのあらわれとしての「タッチ」のことだ。いませんか?あなたの職場に、すぐ触ってくる上司が……
 ワシャはホステスもコンパニオンも触らないから大丈夫だ。一度、六本木のオカマバーで綺麗なニューハーフに太股を「触られ」激怒したことがあった。それから1時間ほど口をきいてもらえなかったほどじゃ。自分が嫌なことは人にしないことにしている。
「オヤジは、靴下が下がっている。」
 ワシャはルーズソックスは履かない。
「オヤジは、つま楊枝でシーハーし、お茶で口をゆすぐ。」
 ワシャはこの歳になっても、爪楊枝がうまく使えない。先っちょで歯茎をチクッとしてしまうのじゃ。だから食事後はこっそりとお手洗いに立って内ポケットに隠し持っている歯ブラシで磨いてしまうのだった。

 本の冒頭に『「オヤジ」度チェック60』が掲載されいている。60問あって4つにチェックが入った。まあまあといったところだ、と、自己満足するところがすでにオヤジなんですよね。トホホ……