エネルギーについて考えた その2

(上から読んでね)
「でも太陽光がある。太陽エネルギーは無限だ」と言う人がいるかもしれない。
 そうだね。50億年は燃えているらしいから、まあ、人間のサイクルからいえば無限といってもいいだろう。だからエネルギー問題は大丈夫かというと、そんな安直なものでもない。
 池田清彦養老孟司『ほんとうの環境問題』(新潮社)から引く。
太陽光発電は基本的にエネルギー効率があまり高くはない。大量の発電をするにはたくさんの太陽電池を敷き詰めなければならないわけだから、広い面積の土地を必要とする。現在の技術では、中規模の火力発電所程度の電気を太陽光発電で供給しようとすると、新宿区全部に太陽電池を敷き詰めないとできないような計算になる。》
 太陽電池を敷き詰める広大な土地は日本にないよね。それに太陽電池をつくるのにも膨大なエネルギーが必要となる。もちろんそのエネルギーには石油を使わなければならない。

 環境省に踊らされて、全国の自治体が「太陽光発電システム」や「太陽熱給湯システム」への支援を打ち出している。エネルギー問題への啓発ということでは一定の効果が出ているとは思うが、くれぐれも自治体関係者は太陽がエネルギー問題をすべて解決してくれるなどという幻想は抱かないことだ。
 環境問題とは、地球温暖化などという瑣末なものではない。根本はエネルギーと食料の問題なのである。そのことを食料自給率40%、エネルギー自給率4%の日本は肝に銘じておかなければいけない。