ピストルを取って来るまで伏せて待っててね

 3月24日の日記「伏せろ!」で、映画「大脱走」に絡めて、人混みのでの犯人確保の方法を述べた。でも、根本が違っていましたね。殺人者を確保しようというのにピストルを携帯していなかったんですから。どうしようもありません。水鉄砲でも持ってたらどうですか。

 ワシャは地元で頑張っている消防団に肩入れをしている。その消防団の行事が年に何回か近所の消防署で行なわれる。「入団宣誓式」、「消防操法大会」、「出初式」などである。三河の田舎町だからそんな大それたイベントではない。小さなグランドで2〜3時間、式典をやったり競技をしたりするだけだ。
 それでもね、円滑な運営をするために主催者側の行政職員、消防職員は無線を携帯して連絡を取り合っている。
 火災現場でも同様だ。どんな小さな小火(ぼや)でも正規の消防士は消防無線で情報のやり取りをしている。最近、ワシャの町では消防団にも無線を持たせて火災現場で効果をあげている。
 ボランティアの消防団ですらこういった対応をとる。市民の生命財産を守る保安職の筆頭にある警察が、殺人犯を押さえるのに無線すら携帯させていないなんて、この危機感のなさは絶望的と言っていい。
 2005年2月、愛知県安城市イトーヨーカドーで危地害が生後11ヵ月の赤ちゃんを刺殺するという事件が発生した。この時、地元の自治体に事件発生の第一報を入れたのは警察ではなかった。やっぱり消防だった。警察は掴んでいる情報を出し惜しみする傾向がある。この事件の後、安城市では危機感を持ち、不審者情報システムを導入するのだが、この導入に際してもっとも消極的だったのが警察だったという。不確定な情報は出せないのだそうだ。だから未だに警察からの情報は不審者情報に載らない。
 この閉鎖性が土浦の事件で悪い方に作用してしまった。なぜ殺人犯が逃走していることを市民にアナウンスしなかったのか。そのことを知らせていれば、走ってくる不審者に対して警戒するだろうし、身構えることだってできる。最悪の致命傷だけは避けることもできたはずだ。

 ただね、警察の不甲斐なさばかりを論ってはいけない。もっとも性質の悪いのは、番犬の牙を抜いてしまった人権偽善者たちだと思いますよ。こいつらの存在はある意味で危地害よりも危険なのではないでしょうか。剣呑剣呑……