「蔵書大売出し」その結末(後編)

 メールに添付されているエクセルファイルを開く。はてさてどの本をいただけることやら。楽しみだなァ。
 開いて、まず目に飛びこんできたのが、リストの一番上に書いてある敬称のついていないワシャの名前だった。呼び捨てかよ。まぁいいや。本を安く分けていただけることだし、このあたりは我慢我慢。
 開いたエクセル表は8行しか表示がなかった。上方の表が隠れているんだね。あれれ、右側にスクロールバーがありまへんで。え?これだけなの……本命のレファレンス本系が全滅しているじゃないか。全集系もない。大学図書館がお恵みくださるというのは、行くついでにもらっておくかと思ってリストアップした「現代用語の基礎知識」と「国会便覧」8冊だけだった。『郷土史辞典』も『源氏物語辞典』も『世界思想教養辞典』も『日本政治裁判史録』も……みんなスカなのじゃー!

 母さん、ぼくの作った370行のリスト、どうしたでしょうね?
 ♪ママァドゥユーリメンバ〜♪

 この8冊を引き取るためだけに大学まで800円を握り締めて来いってか?残念ながら貴重な時間を使いガソリン代を払ってまで出掛けられませんぞ。今回の「蔵書大売出し」は見送ることにいたしました。

「欲張りばあさんが、雀からもらった大きな葛にはなーんにも入っていませんでしたとさ、めでたしめでたし」
 めでたくない!!