熱田散歩のつづき

 日曜日の午前中は仕事だったので、散歩の集合時間には間に合わなかった。1時間遅れでJR熱田駅に降り立ち、改札を抜けながら幹事のセコ道さんに連絡をする。
「今、熱田神宮の西の大通りを北上してます」
とのこと。むむむ、近いぞ。駅舎を跨いでいる熱田跨線橋に上がって西に向かえば合流できる。橋は左に緩やかなカーブを描いている。少し雲の重い空を心配しながら先を急いだ。橋を下りたところで、連合艦隊発見す。
 顕かに普通ではない人たちが十数名、長身のK先生を先頭にして熱田神宮北西の交差点をガヤガヤと横断しているところだった。一行には白鳥山法持寺で追いついた。このお寺、かなり由緒ある。『愛知県の地名』(平凡社)によれば、天長年中(824〜834年)空海の創建というから只者ではない。弘法様でも拝ませていただこうと境内に入ったのだが,山門のすぐ脇に今出来の石碑が何本も立っていてそれに目が引かれた。
《うん ほんまに横綱になったんや 母ちゃん》と掘ってある。なんじゃこりゃ?よくよく見れば最後に北の湖と名が入っている。おお、もしやここは三保ケ関部屋の名古屋宿舎ではないかいなぁ。そういえば学生時代にツレに連れられて来たことがあるようなないような……
 石碑は、北の湖が故郷の北海道にいる母親に横綱昇進を知らせた時のセリフである。どことなく亀田興毅が言っているようなセリフだけどね。(つづく)