大相撲の北の湖理事長が死去された。
http://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2015112000914
それにしても北の湖は強かったなぁ。憎らしいほど強かった。でも、横綱として毅然としていた。下位の者に「猫だまし」を使ったり、変化をするような「おろそか」な横綱ではなかった。
また昭和の大横綱が彼岸へと逝く。出来の悪い外来横綱を置いたまま。
名横綱北の湖のご冥福をお祈りする。
平成の迷横綱は、北の湖理事長が4日前に言われた「(猫だましは)横綱としてやるべきじゃない」をよく肝に銘じておけ。
どこの……というのは言わないでおく。ある県の某町の駅前である。ずいぶん昔に新駅ができた。そこの自治体、えらく気合が入ったんでしょうな。駅前広場をそりゃぁもう金にあかせて豪華に造った。バブル前だったが、その後のバブルを予感させる大事業だった。だだっ広い駅前広場、ところどころに立つコンセプトの判らないモニュメント、そして極めつけはロータリーの下を通る長い地下道。
当時はそれでよかったと思う。田舎町だからちょっとくらいの贅沢は必要だった。少しくらいバブリーでも、それで人が集められるならそれはそれでいい。
最近、私用でその地下道をよく使うようになった。といっても1カ月に何度か、という程度でしかないが。ところが、そこで歩いている人を見たことがないのである。少し薄暗い幅の広い200mほどの長さの地下道にはエレベーターが2つ、昇降口が4つもある。それがすべて石張りでできている。豪華な地下道と言っていい。しかし地上の喧騒とは一線を画し、静かな空間となっている。少なくともワシャがその地下道を歩いている時には、ワシャの足音しかしない。ただ住人はいる。地下道の雨のかからないところに、ホームレスが2人住みついている。これからの時期は少し寒かろうが、広い1ルームを2人でシェアしているから贅沢は言えない。
造ってしまえば、あとはどうなろうとも知らない。そんな印象を受ける。いろいろと使い道があるのに、もったいないと思うのはワシャだけだろうか。
そんなつまらない話はどうでもいい。名横綱の北の湖のことである。
名古屋の熱田神宮の北に法持寺という禅寺があり、かつてここは三保ケ関部屋の宿舎となっていた。この寺に北の湖ゆかりの碑が2つある。その一つにこんな言葉が残っている。
「どんなにつらくても 何と云はれようと 相撲をとるのは心 自分が駄目だと 思ったら とれるものではない」
その碑の横には、土俵入りをする小さな石の横綱があって、とてもかわいらしい。もちろん北の湖を模している。