熱田の「スーパーブックオフ」で本を買いこんだことは昨日書いた。その本をランダムに読んでいて、面白いことがあった。
購入本の中に、司馬さんの『濃尾参州記』(朝日新聞社)が紛れていた。すでにワシャはこの本を2冊持っている。でも買った。ブックオフの105円コーナーでいい本を見つけると取り敢えず買っておく。例えば、この『濃尾参州記』は愛知県の話で、なおかつ90ページほどのボリュームしかないので、あまり本を読まない地元の友達に薦めるにはうってつけなのだ。この本から司馬ワールドに目覚めたヤツもいる。だから買った。
この本に熱田神宮の記載がある。
《熱田神宮は、伊勢神宮とならぶ古社だけに、いまも境内は静謐(せいひつ)である。》
司馬さんが熱田の杜に立たれた頃には、携帯が普及していないので静かだったんでしょうね。この本は、名古屋から熱田宮にかけての地図(道中図)が表紙になっている。そのことも熱田神宮へ行ってきたばかりなのでうれしい。
浅田次郎『あやしうらめしあなかなし』(双葉社)は怪異短編集で、その中の二編の舞台が《その昔、東征の折に道を踏み迷った日本武尊(やまとたけるのみこと)の前に、白と黒の山狗が現れて道案内をしたと伝えられ、その神話が神社の起源とされていた。》という神社なのである。熱田神宮は、日本武尊が使った「草薙神剣」が御神宝として奉遷せしめられているわけで、こんなところにささやかなつながりがあって面白い。
(下に続く)