サムライ内藤とレスラー大毅

 ついに「WBCフライ級タイトルマッチ」を見きってしまった。でもね、いいものを見せてもらったわい。真摯で常識人の内藤大助が愚連隊のような家族の口を塞いでくれた。ありがとうチャンピオン。
 亀田の卑怯な戦い方にも終始冷静さを保ち、10ポイントの大差で貫禄がちである。亀田サイドの、「アリーナ内に五条大橋を作って法螺貝を鳴らして僧服拵えの大毅が家族と共に電車ごっこで入場してくる」という滑稽なパフォーマンスに対し、トランクス姿で静かにリングに上がったチャンピオンは孤高の剣士だった。

 それにしてもTBSの偏向放送は相変わらずひどいね。チャンピオンと亀田の扱い方に大きな差があり、顕かに亀田びいきな放送だ。メインのアナウンサーも解説の赤井、鬼塚も亀田の話に終始した。赤井の具合悪そうな表情を見ると、局側から亀田寄りの発言を強制されたか。
 リング紹介も亀田を鼓舞するばかりで、聴いていて恥ずかしいくらいだ。アナウンサーは「大毅の応援に大阪から大応援団が来ている」と報じたが、亀田側の応援席では空席が目立っている。ヤンキーなネーチャンが旗をおっぴろげているだけだった。そんでもって、試合が始まってみれば「ダイスケコール」で会場が染まってしまったことから、9割方は内藤の応援団と見ていい。
 それでもアナウンサー、解説者、名前も知らない女のタレントたちはバカの一つ覚えで亀田勝利を唱え続ける。ご苦労なこって。
 そんな中、TBS唯一の理性を見せたのが内藤サイドのレポートを担当した土井アナウンサーだった。局側から「内藤有利な発言をするな」という圧力があって、言葉自体は少なめだったが、土井さんは真剣な目でチャンピオンの好調さを視聴者に伝えていた。

 最後に、いいプロレスを見せてくれた亀田大毅よ、せいぜい精進していいプロレスラーになってくださいね。めでたしめでたし。