清張さんの嘆き

【次官OB全員、天下り調査巨費】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070721-00000917-san-pol
 天下りの甘い汁を吸い続けている事務次官OBが、その旨味について公衆に顔を晒して話すものか。保身と責任転嫁を信条として生きてきた高級宦官どもがまともな証言などするわけがない。渡辺行革大臣ももっと現実を見極めろよ。

【〈赤城農相〉退去後も事務所費「団体のことは知らない」】
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/political_fund/
 このオジさんもエリートだ。東大、農林水産省を経て、じっちゃんの後を継承して、政治家、農林水産大臣まで昇りつめた。でも、その足下はボロボロだし、顔もボロボロだし、生き方に颯爽としたものが感じられない。

 今朝の「報道2001」での話。テーマは新潟県中越沖地震で被害を受けた柏崎刈羽原子力発電所である。ゲストに京都大学地震学の権威入倉幸次郎教授と日本原子力技術協会の石川迪夫理事長だった。入倉教授は客観的に今回の地震原発の安全性を論じていたが、石川理事長は一方的に原発の安全性を喚くばかりで中身のないことこの上ない。しかしそれも仕方のないことで、このじいさま、絵に描いたようなエリートな人物で、原子力安全基盤機構顧問、日本原子力研究所東海研究所副所長、北大工学部教授を経て現職という原子力分野では絵に描いたようなエリートなわけで、このじいさまの立場では原発擁護に走るしかないわな。
 それにしても、このじいさま、判りやすいくらい人物で、臭いとしては松岡利勝前農相に似ている。入倉教授に「地震屋」と何度も卑下し、舌鋒の鋭そうな桜井よしこさんには「桜井先生」と呼びかけている。それでもその桜井さんに追い詰められると、突然、呼び方を「櫻井さん」に変えたりして、かなりお茶目だ。

 松本清張に関するこんな話が、阿刀田高『小説工房12ヵ月』(集英社)の中にある。
《(清張は)実力もないのに、高学歴があるだけで高いポストに就いているエリートが大きらいだった。作中のエリート官僚は、いつも悪人ばかりで、私なんかは、
「清張さん、エリートの中にもいい人はいるでしょう」
 と言いたくなったけれど、昨今の政治家、官僚、大企業の幹部たちのていたらくを知ると、
――清張さんは正しかった――
 と苦笑せずにはいられない。》
 清張さんが、草場の蔭で嘆息している。