東海の空どころじゃない

 東海の空は台風一過の晴天に恵まれている。千草色の濃さといい、刷毛でさっと描いたような巻雲といい、まさに秋の彩りと言えますな……違う!季節で言えば「小暑」であり、7月中旬の晩夏である。なんでそんな時期に「蒲団打つ音重なりて野分晴れ」などと一句捻っている場合ではない。台風、野分は「秋」の季語ですぞ。あきらかに季節が狂っているのじゃああああ!うわっ!
 今、地震があった。
  ワシャの回りの本棚がギシッと音を立てた。
   震度2か?
 ワシャの書斎(物置とも言う)は我家でもっとも危険な場所なので、急いで脱出した。
 居間に転がりこんで、テレビのスイッチを入れる。
 テレビ画面には「震度6強」という文字が表示されている。
 台風一過どころの話ではなくなった。

 それにしてもテレビは速い。お見事。テロップが次々と流れてくる。また信越地方を激震が襲ったのか……新潟県中越柏崎市刈羽村、長野県の飯綱町などが震度6強となっている。大災害と言っていい。4月に行った輪島市門前町と同様に多くの家屋が倒壊していることだろう。人的被害がなければいいが……
 人的な被害ということに関して言えば、輪島市門前町は幸運だった。その日、門前では町内イベントが小学校の校庭で開催されていた。住民の多くが一時避難地にいたのだ。このため人的被害がほとんどなかった。
 今日も能登門前と同様に、天気のいい休日である。そして時間帯も類似している。中越や飯綱の皆さんが、屋外でこの地震に遭遇していることを心から祈りたい。

 空の青さを愛でている場合ではなくなったわい。