脱税

 和田秀樹さんが落語家の林家正蔵の脱税について口を極めて怒っていた。それにしても1億2000万円もの所得を隠していたとは恐ろしいヤツだ。その正蔵こぶ平時代に1冊の本を出している。『通になりたい』(マガジンハウス)という本である。その中に「宵越しの銭なんか持ってたまるか」という文章がある。もちろんどこかのゴーストさんが書いたものなんでしょうけどね。こんなんです。
《金は天下の回りもの。いつしか羽が生えて、何処かへファーどころか、あったはずのものが拉致されたようにスッと姿を消す。大事にしていた壱万円だって、千円札にくずれた途端、気がつくと跡形もなく、いずこへともなく旅立つ。》
《あの壱万円、銀行からおろしたばかりなのにと、口を大きくポカーンと開けて、途方に暮れる。》
 なんだか正蔵さん、貧乏人装ってはいますが、1億2000万円も所得隠ししていたんじゃ洒落になりませんぜ。和田さんのメルマガによればロマネコンティを3000本も所蔵しているそうじゃないですか。「宵越しの銭なんか持ってたまるか」と勢いはいいですが、宵越しの銭どころか、金に埋もれて生活しているご様子で、うらやましい限りでございます。
正蔵」は文化文政の時代から続く大名跡ですぞ。金に目がくらんで九代目で糞まみれといったことにならぬよう、せいぜいご精進なさいますように。