卑しき金の亡者たち(ひがみ少々)

ハリー・ポッター』シリーズの翻訳家松岡佑子氏に35億円の申告漏れがあることを国税局が指摘した。このことについては和田秀樹さんも自身のメルマガのなかで口を極めて指弾されている。
《全国の学校で子供に「非国民の典型」として教えなければいけないのは静山社の元社長で、ハリーポッターの翻訳者である松岡佑子とかいう売国奴だ。》
 和田さん、「売国奴」とまで言っている。この後、和田さんは「4000人分の生活保護費に相当する税金を踏み倒し、100人の自殺者を生み出している。」とまで言う。かなり厳しい。
 ワシャ家の子供部屋にも何冊もの『ハリー・ポッター』本がある。みんな子供たちがなけなしの小遣いを叩いて買ったものばかりだ。多くの子供たちが自分で買っただろうし、あるいは親や祖父母からの贈り物であったに違いない。松岡さんの所得はすべてそういった健気さや優しさの結果で得たものなのだ。だったらさ、35億円の所得のうちで7億円を納付することなど大したことではないんじゃないの。『ハリー・ポッター』出版秘話が美談だっただけに(今の状況を見るとそれも胡散臭くなってきたが)、わずか7億のゼニでイメージを落とすことはないんじゃないの。
 本人はスイスでこうおほざきあそばしている。
「2001年にスイスの永住許可を取り、スイスで納税し、スイス生活を楽しんでいる」
 そんなにスイスが好きならスイスでもどこでも行ってしまえばいいけれど、その売上は日本の子供たちから掠め取ったものだということを忘れてはいけない。
「いずれの国の税務当局からも課税逃れとの指摘を受けたことは一度もない」
 1年のうち半分以上を日本で過ごしている人間が、なぜスイスの永住許可を取得しなければならないのか、別荘を取得するだけで事足りるのではないかな。この松岡さんの行為は日本の所得税から逃れようとする卑怯な行為に他ならない。
 もしそうでないなら、ここは格好よく「国税当局の言う7億円を納めましょう。そして日本の子供たちのために残りの財産をすべて寄付しましょう」くらい言ってくれると、松岡佑子の名前は日本歴史に美名として刻まれるのだが……守銭奴売国奴にはできない芸当だろうね。

 今日、所用で上京します。帰るのは明日の夜になるでしょう。それでは行ってきます。