名古屋東部丘陵

 昨日は久々の休みだった。なにも予定がなかったのでふらりと家を出る。目的は気晴らしのドライブと来週読む本の買い出しだ。ざっと3軒のブックオフを廻って、35冊ほど拾ってきた。目玉は『文政天保国郡全図並大名武鑑』(人文社)である。B4版で重量3キロのヘビー級の資料だ。日本史の資料としても有効だし、体力増強にももってこいである。古書市場では15,000円前後で出まわっている。それが3,000円で店頭に出ているから笑いが止まりませんぞ。その他に『日本未確認生物事典』(柏書房)、『THE ART OF HOWL’S MOVINGCASTLE』 (徳間書房)をはじめ、寅さん関連本2、岩波文庫6、自己啓発本4、丸山健二1、西部邁1、新書・雑誌を諸々……
 金のないワシャにとってブックオフは貴重な情報源なのであった。

 そんなわけでワシャは名古屋東部丘陵を駆けまわった。ワシャが学生だった頃は本当に丘陵地だったのだが、今はすっかり都市化して閑静な住宅街に変身している。時代の流れを感じましたぞ。この辺りの山を持っていた地主は宅地造成で大儲けをしたんでしょうな。なにせ二足三文の叢林が平米何十万円もの土地に化けるんですからたまりません。古書が1万円お得だったなどというせこい話ではない。億単位のあぶく銭の話だから、笑い茸のフルコースを食ったような大笑いの洪水だったろう。 
 生臭い話はどうでもいい。丘陵のことである。かつて鳴海山二十八峰といわれた起伏に富んだ山林は、怒涛の住宅開発の波に押されながらも、辛うじてそこここに叢林を残している。加えて万朶を高々と掲げた街路樹も彩りだして、晩秋の雰囲気を醸し出している。一年を通して、今が一番美しい季節かもしれない。

           晩秋や 丘陵の先の 空の青

 おそまつでした!