金田一耕助

 そう言えば金田一耕助はいろいろな俳優が演じていましたね。一番のはまり役は、やっぱり『犬神家の一族』(S51)で颯爽と現れた(実際にはヌボーと現れた)石坂浩二でしょうか。
その他にも昭和56年に角川春樹事務所が製作した『悪霊島』で鹿賀丈史が少しニヒル金田一を演じている。ワシャ的には鹿賀金田一が原作に最も近いような気がするのじゃ。
 まだまだ金田一役者は沢山いますぞ。
悪魔が来りて笛を吹く』(S54、西田敏行)、『悪魔の手毬唄』(S36、高倉健)、『八つ墓村』(S52、渥美清)、『八つ墓村』(H8、豊川悦司)、『金田一耕助の冒険』(S54、古谷一行)、『本陣殺人事件』(S50、中尾彬)、フジテレビの金田一耕助シリーズでは稲垣吾郎が名探偵を演じている。
 ね、結構、いろんな人がやっているでしょ。
 そして極めつけは、なんとあの大御所の片岡千恵蔵金田一耕助を演じていたのだ。ただし、ボサボサ頭のふけだらけ、よれよれの着物に袴という格好では、御大の美意識が許さなかったんでしょうな。だから昭和22年から6本作られたシリーズの金田一耕助は、ソフト帽にスーツでびしっと決めたダンディな多羅尾伴内金田一でありました。原作などまったく無視をするというわがままな役者が闊歩する大らかな時代だったのね。