怒涛の越中行

 いやーぁ、富山県からさっき帰ってまいりましたぞ。ハードな旅でござった。

 泊りは砺波駅横のアパホテルだった。ちょこっと不安だったけど、立地がいいのと、値段が安いのと、万が一、大地震でホテルが倒壊した時も、「防災担当者、アパでつぶれる」というのが、話題として面白かろうと思ったので、敢えてそこにした。
 フロントは通常は男の人か若いねーちゃんが多いのだが、ここは何だかくたびれたおばちゃんだった。どっちかというと掃除のおばちゃんと言った感じのフロント・クラークは珍しい。
 客室に入る。ふむふむ、まあまあの広さだね。トイレが少し臭うな。便座がヒーター付きではないので、お尻のホッペタが冷たいじゃないか!
 部屋にはあのど派手なオバサン社長の書いた自慢本が閲覧用として聖書と共に置いてある。聖書とよく並べられるな。このオバサンの神経を疑うよ。
 そうそう、ロビーにも山のように陳列してあったが、『Apple Town』という雑誌が「読め!」と言わんばかりにテーブルの上に置いてある。表紙は上高地だ。風呂に浸かりながらパラパラと繰ってみて、ワシャ、思わず湯の中に沈没しそうになった。なんと、60ページほどの雑誌の中に、耐震偽装の時に涙を流して謝罪会見をしていた社長夫婦が合計19箇所に顔写真をだしているのである。それも旦那のほうは「BIG TALK」というコーナーで平沢勝栄衆議院議員と対談をして、その対談写真4枚をでかでかと載せている。恥ずかしげもなく。それに自分で「ビッグトーク」なんて言うなよ。恥ずかしいから。
 この雑誌を読んでいて、「アパホテル」というのは新興の宗教団体かと思ってしまった。

 15日は風が強かったので、深夜にホテルが揺れた。と思ったが、実は飲み過ぎで目が回っていたのだった。めでたしめでたし。