(上から読んでね)
午後3時になって再び駐車場管理会社に電話を入れる。
ワシャ「もしもし、さきほど電話をしましたワルシャワといいますが、岡田さんはお見えですか」
男「申しわけありません。我社には岡田が3人おりますので、下の名前をお願いします」
ワシャ「午後1時に××駐車場のトラブルの件で電話をしましたが、その時、岡田さんは名字しか名乗っていませんよ」
男「ああ、そうですか。岡田はちょっと……」
ワシャ「あなたでいいですよ。岡田さんが善処すると言ってから2時間が経過しています。私は車が駐められなくてずっと路上駐車をしていますが、駐車禁止でつかまった場合、おたくの会社に罰金を請求すればいいんですか」
男「と言われましても……」
ワシャ「あなたの会社が管理する駐車場で、契約者である私が無断駐車によって迷惑を被っている。急ぎ、善処してください」
男「わかりました。すぐに対処します」
ワシャ「ああ、あなたのお名前なんてぇの?」
男「今井(仮名)です」
ワシャ「下のお名前は?」
今井「今井は我社に私しかいませんので……」
ワシャ「わかりました。善処をお願いします」
それから1時間後に雨の中を、多分、岡田さんだろうね、黒のマジェスタのワイパーに紙をはさみに来ていた。まあそんなことしかできないか。
その30分後に事態が動いた。ワシャ家の裏で、タガログ語を大声でくっちゃべる数人の男女の声がするではないか。急ぎ裏口から外を見れば、東南アジア系の男女が駐車場の別の区画に止まっている車に乗りこんでどこかへ走り去ったのだ。
確か、ワシャの記憶ではこの駐車場を外人が借りているなどということはない。顔見知りの近所の人とスクラップを置きっぱなしにしている不良中古車屋だけである。今、外国人が駐めていたのは3軒向こうの山田さんの区画で、山田さんに東南アジア系の友人がいるとはついぞ聞いたことがない。
奴らも無断駐車だな。ということはこの小汚い黒マジェも外国人の所有の可能性が高い。そう思って車内を覗いてみれば、助手席にサトウキビ、ココナッツ、フィリピンバナナが置いてあるではないか(笑)。もうワシャは先入観でこのポンコツの所有者を外国人と決めてしまった。
午後6時、まったく状況は変わらない。しつこいワシャはもう一度駐車場管理会社に電話をする。
(下に続きます)