江戸の町はワルばっかり

 昨日は文化3年に出かけた。なんで文化3年かと言うと、丁度、200年前なんですな。上野から日暮里の辺りをのんびりとうろついたわけだが、実際にそのころの江戸は殺人事件が頻発し、夜間はなかなか安心して歩けるような状態ではなかった。
 例えば、この年、夜間往来の盲人を突き殺すという事件が起きている。奉行所の必死の捜査で犯人を逮捕、獄門にしたのだが、その後も9人の盲人が殺された。模倣犯が出たということだ。また湯島天神別当が殺され金品が奪われるという事件が発生している。奉行所は現場に残された遺留品の脇差の鞘から犯人を割り出し、全国指名手配をかけて越後で捕縛した。お見事。
 他にも神田橋で旗本が町人を無礼討ちにしているし、浅草三好町では、やっぱり旗本が町人の女を強姦しようとして襲いかかるという事件があった。運よく帰宅してきた亭主が見つけ、色キチ旗本を突き飛ばし女房の危機を救った。この旗本、とち狂って抜刀し亭主に斬りかかったのだが、刀を奪われて反対に斬り殺されてしまった。旗本、弱すぎる。現在なら正当防衛なんだろうが、江戸時代はそうはいかない。残念ながら女房思いの亭主は斬首に処せられた。
 この他にも強盗殺人、強盗傷害、公金横領、結婚を申し込んだが断られ逆恨しての殺人など奉行所は大忙しだ。
 今も昔も犯罪者の種は尽きないのね。