ハンムラビ

 古代バビロニアのバビロン第1王朝第6代王ハンムラビが法典を作ったのは、今から3700年も前のことである。この法典、刑法、商法、民法あわせて282条の条文から編まれており、原則として貫かれている思想が有名な「目には目を」である。
 こんな条文がある。
「大工の手落ちによって家が倒壊し、その家の息子が死んだならば、大工自身ではなく大工の息子が殺される。」
 というものだ。ハンムラビ法典に照らし合わせれば、妖怪「家壊し(うちこわし)」や「怖魔(おじま)」はさしずめ八つ裂きの刑だろうね。
(妖怪「家壊し」「怖魔」を知らない人は以下を参照してね)
http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=427365&log=20060519
 今日、6月12日に静岡地裁で一つの判決がでた。
 皆しゃん、記憶にあるだろうか。平成17年1月28日夕方、静岡市葵区の健康用品販売店で仕事を終えて帰宅しようとしていたご婦人2人が殺された事件を。犯人の気痴害は、同店の階下にあるクリニックの院長に恨みをもっていて、院長を殺すためにやってきた。因みにこの店は院長の嫁さんが経営しているのだが、たまたま院長も嫁さんも不在だったために口封じのために何も関係のない二人を殺害したのである。その二人の尊い命と等しいのが「無期懲役」なんですと。
 そりゃ、ハンムラビさん、怒りまっせ。この気痴害、現在26歳である。無期懲役は真面目に務め上げれば15〜16年で娑婆に戻れる。厄年には浅間神社で餅投げができまっせ。二人のご婦人の人生を奪い、多くの遺族の心に極めて深い傷を負わした大罪と16年の快適刑務所生活が同等なのだろうか。「目を潰された者は潰した者の眉毛を3本抜け」としか聞こえないこの判決を、現代のハンムダビ(半無駄眉)法典と呼ばせてもらおう。
 故意に人を殺害したら死刑、惨殺したら磔、嬲り殺しにしたら鋸引き、八つ裂き、こうでなくっちゃ殺された被害者の気持ちは納まらない。このハンムダビな判決をだした竹花裁判長は「家庭内の虐待や愛情の欠如、同級生からのいじめなど、人格形成に及ぼした悪影響は否定できない」としているが、虐待されても愛されていなくてもいじめられても真っ当に生きている人は沢山いる。それに犯人は天下の静岡大生ではないか。勉強に没頭できる家庭環境はけっして劣悪ではない。
 無関係な二人もの人間を殺害して16年の刑では顕かに軽すぎると思うがいかがだろうか。