昨日の朝日新聞「声」欄に万博関連の投稿があった。内容は、「あの『狂気の行列』や『貧しいアトラクション』や『悪慣れリピーターの跋扈』などで楽しめなかった」というものである。結びは《入場者数を気にし、事故の起きないことを気にし、余りにも主催者サイドの思惑だけで運営され、肝心の観客を忘れた「万博」ではなかったでしょうか。》と締められていた。仰るとおりだ。満足したのはわがまま外人スタッフ、青春思い出スタッフ、そして何十回も足を運んで会場を混ませた「悪慣れリピーター」たちだけだろう。
おっと、忘れてはいけない。このおっさん(万博協会事務総長中村利雄氏)も満面の笑みを浮かべて朝日新聞の経済面で「難題課題を抱えて手探りでの発進だった大成功でよかった」と連載で回顧している。あ〜あ、この人もまったく反省していないな。
反省していないので槍玉に挙げることにした。
連載の3回目に大物外交官を接待したときの苦労談が載っている。
《当協会は資金繰りが厳しく、接待費は1人5千円までと決められていた。部下1人連れて大衆的なフグ料理店に出かけたが、3人だと1万5千円までしか払えない。仕方なくフグ料理を2人前頼み、ポン酢だけ3人分お願いして、分け合った。》
まず、この話には問題点が2つある。その1はこんなしみったれが事務総長をやっていたから「愛知博」は詰まらなかったんだという確信だ。中村クン、万博の事務総長だろうが、フグの1匹や2匹、自腹で奢ってやれよ、せこい接待しているから外国館の中身がスカスカだったんだよ。問題のその2、おいおい、ワシャらの入場料で1食5千円もの食事をしていたのね。中村クン、いったい何食協会の資金でメシを食ったのかにゃ?そんなものトヨタの奥田クンにたかれよ。
連載の4回目には、建設中の会場視察に皇太子がおみえになった時のエピソードで、恥を披瀝している。ただし中村クンは恥と思っていないようだが……
「皇太子はモリゾーとキッコロに会うつもりでおいでになっていたんだが、準備中の瀬戸会場には着ぐるみがなかったんですわ。だからね、急遽、名古屋駅近くの事務所から運ばせたんですわ。ところがね、職員が道を間違えてしまって、結局、パトカーを出動させ先導してもらって間に合わせたんですわ。わっはっは」
あほか!皇太子がおみえになるのに着ぐるみを用意しておくのが当然だろう。ここまで気の回らない事務総長では、あの歴史的大失敗も当然の帰結と言えるのかもしれない。嗚呼、「白痴博」じゃない「愛知博」のことを書き出すと止まらない。続きは明日のココロだ。