やきもの再勉強

 昨日、今日と本が立て続けに届いた。赤羽一郎著『常滑−陶芸の歴史と技法−』(技報堂出版)と赤羽一郎・小野田勝一編集『日本陶磁全集 常滑 渥美』(中央公論社)である。
 数年前に陶器について集中的に勉強したことがあった。きっかけは「名窯紀行 匠の技」と銘打った新聞広告だった。そこにはカラー写真で抹茶茶碗が掲載されていた。1月お届けは九谷焼抹茶茶碗だ。2月は鼠志野の茶碗、3月は清水焼き、4月は備前焼火だすきの抹茶碗・・・と、全国の窯場から集められた12種が妍をきそっている。この時に何故か「茶碗を鑑てどこの土でどこの釉薬でどこの窯場かわかるようになりたい」と唐突に思った。
 それから抹茶茶碗を買いにあちこちの産地を訪れ、陶器関連の本を読み漁った。随分と読んだが、その中の林寧彦著『週末陶芸のすすめ』(晶文社)で当たってしまった。林さんの陶芸人生に触れて「ワシャも陶芸じゃ」と思いこんでしまったのね・・・
 そこからスパートが掛かった。近くの公民館の陶芸サークルにコネを見つけて、すぐさま入門し「抹茶茶碗1000個捻る」と目標を立てて、土を買い、ヘラを買い、切り糸、なめし革、コテ、カンナ、のべ棒、乳鉢、刷毛、篩、挙句の果ては窯に電動轆轤まで手に入れて、本格的に陶芸を始めたのだが、正味4年やっていただろうか。結局、仕事が忙しくなって(言い訳ですな)、遠ざかってしまった。
 今は買いあさった茶碗と本と、造りまくった駄作の山に囲まれているのである。その御蔭で、土と釉薬はなんとなく解るようになったが、ただそれだけである。
 先日、地元の博物館で、やきものの歴史に関する連続講座をやっていることを知った。陶芸道具一式を広げる余裕はないが、焼物の話を聴くくらいの時間ならなんとかなるだろう・・・くらいの軽い気持ちで参加した。
「! 面白し」というわけで冒頭の本2冊の購入と相成った。
 ううむ、またはまりそうな予感がする。