テレビについて その1

 面白い光景を見た。昨夜、放送された日本テレビの「踊る踊る踊る!さんま御殿!!史上最強3時間スペシャル!!」でゲストに島田紳助が出演していた。また灰汁の強い紳助トークを聞かなければいけないのか、と思いつつ画面を眺めていると、なんと、あの紳助が明石家さんまの前では、ほとんどまともに話ができないのである。例えば何かエピソードを語ろうとして、さんまの話の間に割り込もうとするのだが、まったく食いこめない。さんまの欠点を暴露してトーンダウンを図ろうとするのだが、そのネタで逆に切り返されて、黙らされてしまう。
 この二人「紳助」、「さんま」と呼び合うタメなのだが、どうみても紳助はさんまを苦手としている。確かにかつての「オレたちひょうきん族」でもツートップはビートたけしとさんまだった。紳助はその他大勢の中の一人でしかなかったよね。
 その点だけが見所で、あとはつまらない芸能人の内輪話に終始したくだらない番組だった。(でも、その点だけで見てしまったワシャはバカだった)
 小林信彦は言っている。
「要するにプロデューサーの仕事というのは、どういうタレントをつれてきて、どういう本を作ってというんじゃなくて、漫才師でも何でもいいんですよ、しゃべる人間をスタジオにつれてくるというのが仕事になっちゃった。それを何人か集めれば、それで仕事は終わりでしょう。これで済めば一番楽なわけ」
 まさにそのとおりで司会者がいて、大声で、早口で自分のこと人のことをくっちゃべりるタレント、それでいて司会者には媚びの混じった突込みしかできないような連中を何人か揃えれば番組が成立してしまう。冒頭の「さんま御殿」に始まって「爆笑問題・伝説の天才」、「クイズ!ヘキサゴン」、「トリビアの泉」、「ロンドンハーツ」、「ズバリ言うわよ!」、「平成教育委員会」、「あるある?U」、「行列のできる法律相談所」、「島田検定!!」、「恋のから騒ぎ」・・・ふう、きりがない。
(「テレビについて その2」に続く)