愛知博、入場制限 その1

 昨日、愛知博でついに初の入場制限が掛かった。28万人があの狭い会場に殺到しすしずめ状態になっていたという。多くの群集を隔離されたスペースに押し込めるという形態はある種の収容所を彷彿とさせる。よくこれで死者がでないものだと感心している。
 この危地害じみた大騒ぎで迷惑をこうむっているのはほとんどが県外から愛知県を訪れているお客さんたちだ。唯一求めた入場券を手に和歌山県や石川県からやってきたのに入場すらさせてもらえないとは・・・
 地元で全期間入場券を購入した連中は強かだ。入場20回なんていう人もざらにいて、こいつらは博覧会慣れしているので要領がいい。行列の並び方もチケットの取得方法も実に手際がいい。会場が込み出す頃には自宅に帰ってしまうのである。一説によれば全入場者の20%以上が全期間入場券利用者というから2,000万人を超えたとされる入場者数もその実態は眉唾物である。だいたい大阪万博にはそんなパスポートのようなチケットは存在しなかった。せいぜい回数入場券(5枚つづり)があっただけで、それだって800円の入場料が760円になるというわずか5%の割引でしかなかった。それが今回は例えば20回行ったとすれば(実際、ワシャの姪は20回行っている)、1回当たりの入場料が875円となり割引は80%ということになる。この不均衡はどうだ。この点から考えても博覧会協会は地元にしか軸足を置いていないということがよく分るだろう。昨日当たりのすしずめで、楽しんだのはほとんどが地元民だけで遠路愛知県までお運びいただいたお客様は辟易として帰路についている。その辺りは朝日新聞の社会面に詳しい。
 ワシャは大阪万博以来、万国博が大好きだ。だからあまり愛知博のことを悪くいいたくない。でもね、協会の無策ぶりを目の当たりにするとどうしても愚痴が出てしまうのである。
(「愛知博、入場制限 その2」に続く)