地獄の「文章講座in東京」

 痛い腰をコルセットで固めて、参考文献5冊と資料集(A4、120ページ)をカバンに詰めて、とにかく新幹線に乗る。
 この新幹線のシートが腰痛には最悪なんだなぁ・・・シートの奥が下がっているから座っているだけで悪化してくる。「こだま」だから自由席といえども三河安城ではガラガラだ。シート二つを、申し訳ない、占領させてもらって斜めになって座った。これでなんとか我慢できる。発車とともに1冊残っていた参考文献「論理トレーニング/野矢茂樹著」(産業図書)を広げた。
 静岡までは乗客も六分咲き程度でワシャが席を2つ押えていてもさして気にならなかったのだが、静岡、新富士でどっと乗りこんできて、ほぼ満開、さすがに通路側の席を空けざるをえない状況になった。仕方ないので本を3冊タオルで巻いて腰とシートの隙間に挟んで耐えることにする。多少は楽だ。
 隣の席に座ったのは若い女(の子と言ったほうが的確かな)だった。その女、座った途端に大きなビトンのバッグからこれまた大きな小汚い化粧ポーチを出してシートに備え付けのテーブルの上にドカッと置いた。本を読みながら、何が始まるのかと横目で覗っていると、そりゃもちろん化粧ですわなぁ。「トンテンカントンテンカン」と大工事が始まって、それは新横浜まで続いたのであった。時間にして52分も続いたんでござる。その女にとってワシャは化粧台の横に飾ってあるぬいぐるみ以下の存在なんだろうね。悔しいから、降車駅の品川が近づいてきた時に、いきなりガバッと立ちあがり(痛ッ)つつ、「降ります」とバス・バリトンで凄んでやった。ねえちゃん、風景が急に喋りやがったから驚いて「あれぇ」と言いながら、テーブルの上の化粧品を慌ててビトンの中に突っ込むのだった。
「よっこらしょ」と通路に出るのだが、体の形は座席に座っていたままの「く」の字である。体を伸ばさなければいけない。これがまた痛い。ボキボキゴキッ(痛!)、何とか姿勢を元に戻すと重い荷物を引きずりながら新幹線を降りたのだった。

 2日間の無理が祟ったか、座ってキーボードに向かっているだけで腰が悲鳴をあげている。続きは明日ということで、ちょっと横になります。