テレビの凋落

 46歳のフジテレビアナウンサーがお笑いや後輩の女子アナに笑い者にされながら必死に走っていた。と、いうよりも歩いていた。
 山中秀樹アナウンサーが人事異動を餌に、完走すれば異動は白紙にするが、できなければ異動が発令されるという屈辱的な条件で半ば強制的に長距離を走らされている。かつていろいろな芸能人が走った。極楽とんぼ加藤浩次も走ったが途中でリタイアしたことがあった。加藤は日本中の笑い者になったが、それこそお笑いである。笑われることは名誉なことなのだ。しかし山中アナウンサーはフジテレビのサラリーマンである。いくらテレビに出ていて有名人だからといってお笑いタレントじゃぁないんだよ。それに若くもない。家族もいるだろう。彼の子どもたちは異動という鞭で走らされている奴隷のような父親を見てどう感じるだろうか。こんな残酷なネタを放送するようになってはフジテレビも末期的だ。あのときあっさりとホリエモンに買収されていればよかったと心から思う。
 とにかく「あっつい25時間テレビ」というバカ騒ぎが終わった。「楽しくなければテレビじゃない」とフジテレビは言うが、本当にあんなに低レベルの内容で視聴者が楽しいと感じているとでも思っているのか。
 フジテレビに限らずテレビ番組のバラエティー化(手抜き化)が著しい。高校の文化祭にも劣る内容の番組が全国津々浦々まで垂れ流されている。
 倉本聰は言う。
「永年テレビを書いてきた人間としては、その責を多少とも負わざるを得まいが、自分のことを棚にあげて言えば、日本語を駄目にした元凶はテレビであると僕は断言する。日本語だけの問題ではない。風俗、行動あらゆるものに、テレビは己の影響力をもっと真剣に考えるべきである。」
 東京の盛り場で夜毎乱痴気騒ぎを繰り返しているテレビ関係者は猛省をしなければならない。(無理だと思うけど・・・)