子どもたちは冒険が好きなんだ! その2

 鹿児島の住宅地で痛ましい事故が起きた。中学生4人がたまたま見つけた洞窟で遊んでいて、一酸化炭素中毒で全員が死亡したという事故である。
 誰が見つけたか知らないが、きっと洞窟を発見したときにはわくわくするような気持ちになったろう。日常の生活空間のなかに、突然、異空間が出現した、という感覚ではなかっただろうか。
 子どもたちの身の周りから「冒険」が消えて久しい。池や川はフェンスで仕切られ、崖はコンクリートで固められた。もともと子どもたちは冒険や探検が好きなのだ。テレビ画面でのくだらない冒険や、100%安全が確保された張りぼて遊園地の探検ではつまらないのである。
 ただ危険なことから子どもたちを隔離してきたために、リスクを回避する知恵というものが伝承されずにきていることも確かだ。手を切ったからカッターを取り上げるのではなく、どうすれば手を切らないかを丁寧に教えるべきではないだろうか。
 密閉状態に近いところでものを燃やさない、火をどうしても点けるときには換気に充分に注意をする、という基本的なことすら子どもたちは知らないのである。そりゃそうだよ、ハリウッド映画では洞窟の中で勢いよく火を燃やしているよね。狭い穴倉の中でガンガン火を燃やしているのを見れば、小さな焚き火くらい大丈夫だと思ってしまうだろう。
 きっとマスコミの論調は防空壕を放置しておいた地元の管理責任を責めるだろうが、そこにも問題の一端はあるのだろうが、子どもたちから冒険・探検を取り上げてきたことと、ハリウッドのバカ映画にも責任があると思うよ。

 取ってつけたようだが、47年前の今日は三河湾国定公園に指定された日である。竹島界隈も30年前とは随分と様変わりしてしまった・・・が、それでも子どもたちを取り巻く環境変化に比べればたいした変化とはいえまい。