書棚から・・・

 面白い本を見つけた。「永田町下級武士たちの決起」という本である。自民党の新人国会議員20人が、思いの丈を話したり書いたりしている。発行日は1989年12月5日だから、ざっと15年ほど前に出版されている古本である。
 この本に登場する新人議員さんたちだが、そのラインナップはイラク人質事件で一躍マスコミに登場する機会の増えた逢沢一郎や前防衛庁長官石破茂、前防災担当大臣の鴻池祥肇内閣官房副長官杉浦正健、さきがけの武村正義、元民主党党首の鳩山由紀夫などなど結構多彩だ。内訳は2世議員が9人、秘書あがりが3人、官僚からの転進組が5人、元弁護士1人、野心家1人、大金持ち1人で、わずか15年しか経過していないにも関らず、20人の先生方の行く末はいろいろである。まず国政の場から去った人が7人いる。衆議院から参議院に移った人が3人、この内2人は官僚転進組である。地盤に馴染みの薄い人間が選挙区から引っこ抜かれちまうわけね。
結果、現役で活躍しているのは13人で、すでに中堅になっている。
さて、本の題のことである。「永田町」はいい。「下級武士」がいただけない。永田町という狭い村の中では新参者ゆえにそう卑下したか。しかし、このお歴々、下級武士どころか今貴族の家系であり、地域にもどればみな名士たちなのである。金も社会的地位もすべて揃っている勝ち組の皆さんなんだから、謙遜のし過ぎはかえっていやみになりまっせ。