う〜ん、世の中っていうのはなかなか思いどおりにはいかないものだね。ある自治体の話である。40年代半ば、日本の国力を世界に誇示した大阪万博も無事に終了し、時代は昭和元禄と呼ばれ我が世の春を謳歌していた。この時期に企業も地方自治体もこぞって社員の大量採用をはじめる。もちろん好景気のときには優秀な人材は民間に流れる。自治体も必死に人材を掻き集めるのだが玉石混交で中にはかなりものの悪い石が入っている。
それが今や50代の幹部職員となってきている。幹部だが無能だ。患部職員といってもよさそうだ。彼らは、給与は高いが仕事をまったくしない(できない)というタイプである。それでも彼らにも生活があるので民間のようにスッパリとは切れない。
臨時職員にもののいいのがいる。頭の回転がいい。勉強家だ。空気をすばやく読む。協調性がある。いいところだらけだ。給与は低いが一生懸命に仕事をする。
どちらがいいか明々白々なのだが、社会の仕組みはそうそう巧くは回らない。患部職員は仕事もせずに退職時までのんきに働き退職金をもらってご勇退ということになるだろう。臨時職員は来年まで勤められるかどうかも怪しい。「う〜む、人生は不条理だなぁ」と、友人くんが言っていた。