18日、19日と所用で上京していた。所用といっても歌舞伎座に行った程度のことだから大した用事でもない。
さて歌舞伎座、玉三郎と勘九郎が「梅ごよみ」で辰巳芸者の仇吉と米八を演じ、気風のいい啖呵を披露していた。二人とも年齢を重ねていい役者っぷりになってきた。来年、勘九郎は勘三郎になるわけだが今後が楽しみになってきた。
それはそうと土曜日に歌舞伎座に赤川次郎が来ていましたよ。随分と儲けはったのかでっぷりと太っており、昔のスマートさは面影もなかった。和服のおばさんと2人で桟敷に収まっていたが、あのおばさんは誰なんだろう。
翌日は浅草寺に行ったんだが、田舎者だから雷門前でへたな天麩羅屋にへぇっちまった。これがえれぇ勢いで混んでいて、混んでいるのはいいんだが、仲居の客あしらいのぞんざいなことといったらありゃしない。それに天麩羅のまずいことまずいこと、おいらの海老天は半生だったし、連れの天麩羅はダマがあった。「天麩羅の追加を頼めば「時間が掛かりますよ」と無愛想にいい、突出しにきんぴらが出ていたので「これなら時間は掛かるめぇ、きんぴらを持ってきてくんねぇ」というと「ない」という。なんという店だ。「さんさだ」な目に遭っちまった。違った。「さんざん」な目に遭っちまったぜ。雷門の門前の天麩羅屋だけは気をつけたほうがいいですぞ。