邪魔をするな! その1

 新潟県を中心に広い範囲にかけて強い地震があった。小千谷市では震度6強を観測し日が暮れて周囲の状況はよく判らないが、いたるところで被害が出ていることだろう。事実、夜が明けて死者は14人を超え、行方不明者も多数に上っている。家屋の東海や道路の陥没もあちこちで報告されだした。地元の自治体関係者は夜を徹してその対策に追われている事だろう。
 さてそんな灰神楽が立つような大騒ぎの中、NHK新潟のバカアナウンサーがやってくれた。昨日の午後7時前のことだ。バカは小千谷市役所に電話を入れた。相手は自分の被災者であるのに、必死に役所まで出勤した企画財政課長だ。
バカ「今、市役所の中の状況はどうなっていますか?」
課長「はい、今、出勤してきたばかりで、すぐにこの電話だったもので中の状況がわかりません」
 電話の向こうでは別の電話が鳴っている。
バカ「いろいろなものが倒れたり書類が散乱していたりするんですか?」
課長「いや、状況はよく判らないんで・・・」
バカ「役場の職員はなんと仰っていますか?」
課長「ですから今出勤してきたところで状況を確認していないので・・・」
 電話は鳴りっぱなしである。
 バカアナはそれでもなおピントの外れた質問を繰り返しながらなかなか電話を終わろうとしない。
バカ「(詰問口調で)小千谷市ではどのような対応を取るんですか?」
課長「とにかく状況の確認をしてですね・・・」
バカ「まだなにも把握していないんですか?」
 地元はパニックになっているのだ。市長や関係者からの問い合わせも次々と入電してくるだろう。時間的に自宅から出勤してきたばかりの課長が情報を持っているわけはないと、なぜ、この若いアナウンサーは想像できないのだろうか。こいつが課長の邪魔をしていることで、災害対策が遅れてしまうのである。
 友人に聞いた話だが、災害時に一番邪魔なのがマスコミからの電話だそうである。この後もこの課長さん、あちこちのテレビ局に引きずりまわされていた。かわいそうに。おまけにこのバカアナ、小千谷市の職員を「役場の職員」と言っていた。正しくは「役所の職員」である。やっぱりバカだったか。
(「邪魔をするな! その2」に続く)