新潟中越地震でわかったこと

 今回の地震ではっきりしたことが2つある。
 その1つは「地震予知なんてできない」ということだ。もともと地震学というものは百家争鳴の観がある後進学問の印象が強い。前回の東海道沖の地震といい、今回の新潟中越地震にしても、それを露呈する格好となった。
 もう1つは、住民に防災意識の浸透がまったくなかったということである。小千谷にしても十日町にしても、避難をしてきた住民らは口々に「食べ物がない。水がない」と訴えていた。愛知や静岡では、3日間の水と食料はそれぞれで確保しなければならない(といっても、愛知県でも水・食料を準備している住民は20%でしかなかったけどね)。お握りの配給を受けるために長蛇の列をつくる住民をみて、行政が声高に叫んでいた食料備蓄などなんの意味もなかったんだと痛感した。
 ここは日本列島である。予測なんていらない。地震は来るのだ。そう決め付けておけば地震学者に腹も立たない。
 また日常から予防と準備をしておくことが重要だ。そして不幸にも地震災害に遭ってしまった時には何とかして生き残り3日だけ自分自身で生き延びなければならない。第1日目から「食い物がない」とガキみたいに騒ぐのは、そいつの準備不足なのだ。大学の先生も役場の職員も当てにはならない。あてになるのは自分しかいない。そう肝に銘じなければ、と思った。