バカ二題

 公共施設には必ず身障者用の駐車区画が、もっとも施設寄りに身障者の利便性を考えて設置してある。
 最近、目に付くのだが、あきらかに身障者ではない人間が駐車していることが多い。それも10台中10台が外車か高級国産車で、車には障害者用のステッカーは、貼ってない。
 この連中、どうも身障者用駐車場の表示が見えないらしい。ここはおれの専用スペースだとでも思っているのか、大威張りで駐車をすると、そっくりかえって施設の中に消えていく。
 傍らに人無きが若し、まぁそういった輩は、周辺の状況が判らない、自分の立場の判らないという「知的障害者」であるわけで、そういった意味からは停めていいと言えばそう言えるので、目くじらを立てる筋合いのことではないのかもしれない。
 もうひとつ、交差点で信号待ちをしているときだった。前に停車している白い軽自動車の窓から煙草を持つ右手が出ている。車外に灰を落としているのだ。よく見るとドライバーは若い女で、煙草を吸いながら携帯電話をかけていた。時折、のどちんこを見せて笑っているのが大きなバックミラーに映っている。おっと信号が青になった。白い軽自動車は走り出した。えっ?
 おいおい傍若無人な女よ、お前は超能力者かよ。右手は煙草、左手は携帯電話、お前、どの手でハンドルを持っているんだ。
 100メートルほど走って、女はハンドルを持つことを思い出したのだろうか。窓から煙草をポイッと捨てた。手放し運転は解消されたのでほっとしたが、路上に吸殻を捨てるんじゃないよ、バカ女!