外道をどうする

 原作・安童夕馬/漫画・朝基まさし『サイコメトラー』(講談社

https://kc.kodansha.co.jp/title?code=1000005713

の第2巻に「煙突エレジー」、「処刑の塔」という話がある。ここで主人公は鳶の手伝いをしていたのだが、そこの親方のお嬢さんが亡くなる。鉄道事故に見せかけ殺害したものである。そのお嬢さん、とてもかわいく気さくな人だったので、初めて読んだ時、ワシャもムカッとしたことを記憶している。

 この殺人事件には3人の男が関係していた。代議士の息子、大病院の跡継ぎ、大会社の二代目。こいつらが覚醒剤をキメて車を運転中にお嬢さんを轢いてしまう。まだ息があったのだが、証拠隠滅のために踏切内に生きながら放り込まれる。

「こいつら真性の外道だな」と思った。

「でも漫画の話だし、いくらなんでもこんなことをする極悪人はそうそういるもんじゃない」と、自分を納得させて読み続けた。

 ところがどっこい、そんな外道が現実に存在しやあがった。

《塗装会社社長ら3人再逮捕 死亡の元同僚に「プロレス技」か 警視庁》

https://news.yahoo.co.jp/articles/5453f8653fac71ae1595eeca57a096f576370bab

 社長らが繰り返し暴行を加え、心身ともに追い込み、踏切内に入るよう強要し、自殺に見せ掛け殺害したという。クソバカ野郎どもだな。こいつら。

 ううむ、クソ外道の話をしていたら、昔の悲しい事件を思い出してしまった。東京都足立区綾瀬の女子高生コンクリート詰め殺人事件である。これほどひどい事件は聞いたことがない。内容には触れないけれど、これを実行したのがクソガキだったということにも驚きだった。

 日本のクソ司法(あえてクソをつけさせてもらうが)は、少年だから、殺したのが1人だからと、主犯のAが懲役20年、準主犯格のBが懲役5~10年の不定期刑とした。ワシャはこの判決に極めて不満だった。何人殺したとか、少年だからということよりも、何をしたかということが大問題なのである。この殺人事件に関わった4人、とくにAとBは人としてやってはならないことを実行し、なんの罪もない女子高校生に地獄の責め苦を41日にわたって加え続けた。クソ外道が!

 こいつらは即刻死刑でいいと思ったものだし、いまだにそう思っている。

 

 話を『サイコメトラー』にもどす。

 お嬢さんを殺した3人の上流階級は、次々に不審死を遂げていった。高層マンションの上層階で殺害された男、やはり別の高層マンションで乱交パーティーやっている最中にベランダから堕ちて死んだ男・・・もちろんこれには種も仕掛けもあるんだけど、ネタバレになるので言いません。

 鳶の親方の娘を殺した3人は、殺害人数は1人なので、逮捕されれば死刑にもならずそれこそものの十数年で娑婆に戻ってくるだろう。しかし、外道には天罰が下った。

 こっちもか。

《「女子高生コンクリ詰め殺人事件」準主犯格Bの孤独な最期 3年前51歳で自宅トイレで》

https://news.yahoo.co.jp/articles/2f05c0f52c2682eaa6269ce01bad1a09fa09aac1

 天網恢恢疎にして漏らさず。