玄鳥来る

 今日から二十四節気の「清明」になる。「春分」から15日目で、天地すがすがしく、明るい空気に満たされてくる頃。「清浄明潔」の略である。とはいっても、今日は曇天、昨日ならば「清明」に相応しかったんだけどね。

 そうそう、昨日、市内の南西の田んぼの中にある大型スーパーに行った。このところちょいとしたことがあって、そのためでもなかろうが体重が2キロほど減ってしまった。家人からは「元気がない」と言われるが、外に出ればいつもどおりのワルシャワくんなんですけどね(笑)。

 でもね、このところ栄養ドリンク剤を飲むことが多くなって、1箱(12本)を1週間くらいで飲み干してしまった。だから昨日、田んぼの中にあるスーパーにドリンク剤を買いに行ったっちゅ~わけです。

 その時のことである。大きな駐車場には、歩行者用の通路が確保してあって、その上にドーム状の赤・白ストライプのビニールの屋根で覆っている。だから雨天でも濡れずにスーパーまでたどり着ける。晴れてはいたんだけど、いつもの癖でその下を歩いていると、黒いものがヒューイとワシャの目の前をゆっくり横切った。玄鳥(つばめ)だった。

 ビニール屋根を見上げると、ドームの内側を支える細い鉄棒にくっつけて巣を作っている。それが通路の何か所かにあった。確かにここなら風雨から巣を守れる。スーパーのほうも敢えて撤去せずにそのままにしているところなんざ、なかなか粋じゃありませんか。

「燕(つばくろ)のゆるく飛び居る何の意ぞ」

 高浜虚子の句であり、そのままワシャの心境でもあった。「玄鳥来る(つばめきたる)」、清明前日の話である。

 ううむ、燕の初見はドリンク剤よりも効いたかも。