今年も詰まらない与太話におつきあいいただきありがとうございました。令和6年が皆さまにとって善き年になりますようお祈りしております。
今年の「七味五悦三会」です。まず「七味」。
京都に行った時に、河原町三条の北にあるバーで食べた「枝豆のアヒージョ」がメチャメチャ美味かった。これにはハマってしまって、自分ちでも何度も何度も作って酒の肴にしている。それまでは、枝豆が出ても2つ3つ食べるだけだったのが、アヒージョ味にすると皿一盃の枝豆をペロリと食べてしまうんですよ。だから家のチッキンにはハウスの「アヒージョ ガーリック風味のオイル煮」、ダイショーの「きのこがおいしい!アヒージョの素」、モランボン「地中海風 アヒージョ」の3種類をそろえてある。ああ、書いていたら食べたくなっちまった(笑)。
2つ目、「ザーサイとささみの和え物」
https://cookpad.com/recipe/7358031
これは、地元の消防団詰所に立ち寄った時に分団員が手料理として出してくれたもの。これが舌を打つ美味さで、紙の器に盛られたものをペロリと食べてしまった。
3つ目、これも素人が作ったものなんだけど、「マグロのヅケ」が柔らかく日本酒にドンピシャリ。
4つ目、確かなウナギ料理屋で食った肉厚の「白焼き」、これがたまらない。ちょいと多めに山椒をふって擦り下ろした山葵をのっけて食ってごらんなさいよ。これがうめー!熱燗にバッチリなんですわ。
西尾市のどこかの店では、支那産ウナギを三河一色産と偽って提供していたようだが、そんなもの支那産か一色産かどうかなど一口食えば判るわい。
5つ目、島根県から送ってもらった「二十世紀梨」が、子供の頃に食べた梨の味、食感を思い出して心がほっこりした。
6つ目、たまたま立ち寄った居酒屋で「クジラの唐揚げ」というメニューがあったので、注文をした。そしたら「クジラの竜田揚げ」だった。おおお、懐かしいなぁ。昔は給食によく出てきたものだ。当時は貴重なたんぱく源だったから楽しみだったことを思い出す。もちろん給食の竜田揚げよりも品よく、鯨肉も柔らかい部位を使っていて食べやすかった。これも懐かしかったなあ。
7つ目、これは運が良ければ「美味」というものである。ワシャは「ジャンケン寿司」と呼んでいる。某市駅前のビルの一回にある寿司居酒屋なんだけど、そこに5人の仲間と入って酒を飲みながら寿司をつまむ。ここでねわざわざ15貫盛りの大皿を1つだけ頼むのである。みんな、お腹がすいていて早く食べたいんだけど、ここでじゃんけんが始まる。勝った順に好きなネタを選べる。3巡すると一皿が片付く。その頃を見計らって次の寿司、天ぷらなどを注文して、またジャンケンだ。ワシャが1番の時は、エビ好きなので生エビをいただく。これは他の人も狙っている人もいて、その嫉妬メラメラの視線を感じながら山葵を多めにつけてペロリと戴く時の優越感が楽しい。この最初の1貫目の生エビこれを七味のトリに入れておこう。
5悦である。
最初はこの人、この落語会ですね。滝川鯉昇師匠。ホントに些細なご縁しかないのだけれど、地元の図書館寄席の10周年にお出でいただいた。10年前もご無理を言って初回を飾っていただいたんだが、10年の年輪を重ねられてフラの味も一層磨きがかかっている。「名人!待ってました」と大向うから声を掛けてしまいましたぞ。師匠の「二番煎じ」に大笑いをしたのだった。
2つ目は、10月に決行した「京都新選組ツアー」である。これは2日にわたって洛中京都を歩き回った2日で5万歩も歩く強行軍だったが、実際の新選組、幕末志士の行動をなぞることができた。この時に1味の「枝豆のアヒージョ」にも出会っているしね。
3つ目は、やっぱり10月の「片岡仁左衛門 坂東玉三郎 錦秋特別公演」ですね。久しぶりの「孝玉コンビ」を拝見しましたぞ。演目は「東海道四谷怪談」と「神田祭」。
「大和や!」「松島や!」と何度も声掛けができました。よかったよかった。
4つ目も歌舞伎で、4月の御園座「陽春花形歌舞伎」を観に行ってきた。昼の部、夜の部ともに楽しんだのである。演目は「於染久松色読販(おそめひさまつ うきなの よみうり)」、一般的には「お染の七役」として有名である。
歌舞伎つながりということで、名古屋市橘町にて開催した歌舞伎の名題役者中村橋吾の「ひとり歌舞伎講座」もここで挙げておこう。お題は「番町皿屋敷」。なかなか1mくらいの距離で名題役者の話を聴けるというのも貴重な機会なので堪能させてもらいました。
5つ目は、6月の昨日、名古屋市民会館で柳家喬太郎と桃月庵白酒の中日落語会。これも面白かったし、12月の「大名古屋らくご祭」、春風亭昇太、柳家喬太郎、三遊亭白鳥、林家彦いちの回もよかった。M-1とか漫才師が頑張っているけれど、やはり落語の域まで到達するのはまだまだ時間がかかると思う。
ただ、林家泰平師匠が言っていたが、「いい人材がみんな漫才のほうに行ってしまっている」というところはこれからの課題だろう。そりゃ落語家の修行って、前座、二つ目となかなか時間がかかるし、テレビに出てパッと売れるということもない地味なところもある。でも、桂宮治のような人材も出てくることから、伝統文化としても大切な芸能であると確信している。
問題の三会である。これが最近一番大変なものとなっている。
1年前にも《東京でライターズセミナーに通っていた頃には、次から次へと新たな出会いがあって、極めて刺激的な人的財産を得ることができた。》と書いている。また、かつては地元の同業者の中でいい出会いがいくつもあったんだが、このところは、出会い自体が減ってしまって、その中で光る人というのはなかなか見つからない。
まぁ新顔には行き当たらなかったが、久しぶりに出会いということでは、評論家の呉智英さんのお元気な姿を拝見できたのはうれしかった。
さらに五悦の鯉昇師匠も10年ぶりくらい。楽屋で直接お話しできたこともありがたかった。
地元で頑張っている県議さんともじっくり話をする機会があって、いろいろな情報交換ができたことも貴重な出会いであった。
さて、皆さまにおかれましては、穏やかな年末年始になりますようお祈り申し上げます。それではよいお年をお迎えください。来年もまたよろしくお付き合いをお願い申し上げます。