四十九日の議員

 いやぁ・・・地方選、各地で市議会議員選挙が盛り上がっている。ワシャの地元でも、最終日ということで大いに盛り上がってまっせ。流星号(自転車)で市街地を走っていると、次から次へと街宣車に出くわす。

 午前中にすれ違ったのが、「49日議員」とあだ名されるすごい候補者だった。1年間で議会・委員会に出席したのがトータルで30日、会派の会合で12日、その他で数日しか顔を見たことないかなぁ・・・ということで、年間49日の登庁で議員活動を済ませる凄いヤツなんですわ。これ時間に換算すると、1日2時間で終わってしまう委員会もあるんで、年間で150時間くらいかなぁ。この49日議員、時給53,000円ですよ(驚)。

 こんなのが、選挙ともなると普段の怠け癖は棚に上げて、マイクを持って車から乗り出し街宣活動をしている。あのくらい4年間をぶっ通しで仕事をしてくれると自治体もよくなっていくと思うんですが(笑)。

 

 ワシャのよく知っている議員のT君を引き合いに出して申し訳ないんだけど、彼に聞くと、「私は、ほぼ毎日出勤していました。平均すると6時間くらいは議会フロアでパソコンを打ったり、担当課を行ったり来たりしていました。市役所の近くに図書館があるので、レファレンス機能を使って情報収集をする機会も多かったと思います」と言っている。

 午前9時までには議会事務局に顔を出し、ポットの水の入れ替えや、控室の簡単な清掃などをしていると、ぼちぼちと他の議員が登庁してくる。28人の議員の内、10人くらいは毎日顔を見ると言っていたから、そのくらいはまともな議員もいるということなんでしょう。

 議会が近づいてくると、出勤率はもっと増えて、20人くらいは入れ代わり立ち代わり議会の控室フロアに顔を見せる。そりゃなんといっても情報は市役所にあるわけだから、ここに来ずして市政のネタにはありつけない。だが49日議員は議会が近づいても梃子でも来ない(笑)。

 T君の場合、自宅が役所から近いということもあって土日にも資料などを取りに行ったついでに、議員控室で仕事をする。休日には誰も来ないので仕事も捗る。さらに休日出勤をしている幹部職員もいて、彼らと情報交換することもできたので、好んで休日に市役所に行っている。結果として年間300日くらいは出勤していた。

 えらい差ですな。かたや49日、かたや300日。もちろん49日がとても効率的な仕事をして、情報収集も自宅にいながら行政の最新情報を入手し、みんなの見えないところで、いつの間にか行政幹部と議論を重ねていたのかもしれぬ。

 でもね~、49日議員の年1回だけの一般質問を聞く限り、いつもスカスカの内容だった。同僚議員も執行部も、みんな修行僧のような雰囲気で1時間を耐えていた。

 

 話が遠回りをしていますが、そんな49日が選挙になるとむちゃくちゃ張り切って活動をしているんですね(笑)。多選の古参で、選挙活動には全力投球をする。だから、毎回、上位で当選している強者だ。

 これって特定の自治体だけの話ではなくて、全国のあちこちに49日議員のような厚顔無恥な議員がいるような・・・いや絶対にいますよ。

 真面目に住民のために働いているのもいるけれど、1年を49日で暮す罰当たりな議員もいるんですね。49日に引導を渡したいと思っています。

 ぜひ、皆さんの自治体でもウオッチしてみてください。おもしろいですよ。