新日本プロレス オカダ・カズチカ安城市凱旋試合

 夕べ、愛知県安城市でプロレスがあった。昭和の時代にアントニオ猪木がきて以来というから38年ぶりのことになる。もちろんその時にも観戦したんだけど、今回もリングサイドで楽しませてもらった。

《市制施行70周年記念事業 オカダ・カズチカ安城市凱旋試合》

https://www.city.anjo.aichi.jp/tanoshimu/sports/okada-gaisen.html

 水面下、水面の上でもいろいろな人間が動いた結果、オカダ・カズチカというプロレスラーの凱旋興行ができた。なにしろPR下手、イベント下手と言われて久しい安城市のことだから、こういった安城出身のビッグネームにあやかってシティプロモーションを進めていかなければいけない。

 興行の冒頭で地元の市長がリングに上がったんだけど、「元気ですか~!」くらいの掴みをやるのかと思えば、町内会の会合挨拶程度の内容で終始。笑止。

 この団体の設立者がアントニオ猪木さんである。最新号の『文藝春秋』12月号の「蓋棺録」のトップは猪木さんですよ。新日本プロレスの来賓席の筆頭に座っているんだ。挨拶の中で、1ヶ月前に亡くなられた創業者に哀悼の意を示すのは当たり前だ。しかし、鈍感というか、通りいっぺんの挨拶しかできないというか、猪木さんを尊敬して集まった後輩たちが今日の試合を務めるのである。一言、触れても罰は当たるまい。

 夕べほど、「アホかこいつ」と思わされた日はなかった。

 さらに、愚痴っておくと、最後にオカダ・カズチカに花束を渡すんだけど、これがまた市長がリングに上がって手渡した。オカダ選手の凱旋試合だから、いいよ、市長が何度リングに上がったって。でもね、花束はあんたが渡すんじゃないだろう。

 これを言うとフェミニストジェンダー左翼にグチグチ言われそうだが、新日本プロレスのリング上は、まさに男の闘いの世界であって、そこに女性が上がって市長の代わりにオカダ選手に花束贈呈をする。これが格好いいんだ。やぼったいオッサンが手渡してどうする。七夕親善大使というみめうるわしき女性たちがいるではないか!

 あ、そうか、今年は親善大使は、いないんだっけ。

「七夕まつりの規模縮小するな!」と頑張っていた議員もいたけれど、結果として武漢風邪を理由に、安城七夕まつりは規模を全面的に縮小、もちろん七夕親善大使の選考すらしなかった。その結果、こういった場面で安城市は恥をかく。一事が万事なのである。

 まあいいや、マヌケな噺などどうでもいい。まともな成功事例のほうに話を戻そう。

オカダ・カズチカ安城市凱旋試合」は8試合が組まれた。

 まずはシングルで前座の中島佑斗と大岩陵平がリングに上がった。このカード、ワシャ的には楽しみにしていましてね、中島が岐阜県大垣市、大岩が愛知県江南市の出身で、どちらもご当所レスラーということなんですね。結果はアフロに髭の中島が逆エビ固めで勝った。

 2試合目はタイガーマスクと藤田晃生という若手の対戦だった。それにしてもタイガーマスク・・・5代目だっけ、もう少し体を絞ったほうがいい。173㎝とレスラーとしては小柄だし、その上、筋肉より脂肪が目立ってしまっては、伊達直人の後継としては・・・と思ってしまった。もちろん余裕でタイガーマスクの勝ちなんだけどね(笑)。

 3試合目はタッグマッチ。ここいらで色物登場で、実はメチャメチャいい人のグレート-O-カーンが登場し、会場を沸かせてくれた。

 4試合目もタッグマッチ。天山広吉、マスター・ワトなど、ここも色物臭が強いところですね。それでも楽しいことは間違いない。

 5試合以降もタッグマッチが続く。まぁ顔見世興行的色合いが強いからそれはそれでいいんでしょうね。もう新日本プロレス錚々たるメンバーがリングに上がってくる。

 成田蓮田口隆祐小島聡ザック・セイバーJr.金丸義信、DOUKI、YOSHI―HASHI、後藤洋央紀、YOH、内藤哲也、SANADA、BUSHIと続き、セミファイナルでタイチ、エル・デスペラード鷹木信悟高橋ヒロムが登場した。

 そしてメインイベント、6人タッグマッチ30分1本勝負。オカダ・カズチカ石井智宏矢野通vs棚橋弘至真壁刀義本間朋晃の好カード。もちろん初っ端はオカダと棚橋の組み合わせだ。そりゃ会場も沸きますわなぁ。

 結果として14分12秒 オカダが片エビ固めで勝利して故郷に錦を飾った。でもね、一番印象に残ったのは、棚橋弘至が敗戦後に花道を下がる時に、花道脇のガードところにいた5歳くらいの少年と背をかがめてグータッチをしていたところであった。棚橋、前々から思っていたが、いいヤツだった。

 最後の最後でオカダ・カズチカのマイクパフォーマンスがあった。第一声は「アンジョー!」だった。そして会場いっぱいを埋め尽くす観客を見まわして「安城にもこんなに人がいるンなぁって思いました」と会場を盛り上げた。市長は笑っている場合ではないけどね。

 まあなにしろ大成功でよかった。そして2か月後には女子プロの「スターダム」が中野たむを先頭にして安城市に乗り込んでくる。さすがフワちゃんは来ないだろうけど、これもまた錚々たるメンバーがリングを駆け巡るだろう。

 今度は女性選手なので、市長が花束贈呈でもいいけれど、もう少し気の利いたことを言おうね(笑)。