第26回参議院選挙概観

 投票日直前にテロによる元首相の暗殺が行われた歴史に残る選挙となった。

 終わってみれば、事前の下馬評どおり評価されたのは、自民8増、維新5増、れいわ3増、N党1増、参政1確保の5つ。反対に支持を集められなかったのは立民7減、共産2減、国民2減、公明1減だった。とくに立民の7減はかなりの凋落で、とはいえ野党第一党に踏みとどまったのは、残念な結果と言っていい。もう少し減らすと思っていたのだが(苦笑)。

 とはいえ、新潟で森ゆうこを落としたことは善哉。ないことないことを国会でまくし立て、不逮捕特権で逮捕されないだけのようないい加減な議員に「NO」を突き付けたことは新潟県民の良識を示すことができた。維新については、もう一頑張りが欲しかったが、選挙戦直前で橋下徹氏の問題がネット上で問題となったことが痛かった。京都でも僅差で福山哲郎の逃げ切りを許してしまったし、愛知でもこれまた僅差で次点に甘んじた。これなんかは維新候補を推した河村名古屋市長の力の陰りが出たということだろう。

 特筆したいことは、岡山選挙区で小野田紀美(自民)が圧倒的な勝利を収めたことである。小野田氏は選挙前に公明党批判をして、公明党から「推せない」との通告を受けていた。「だったら推薦など要らないわよ」ということで公明党とまっこうから対立したまま選挙戦に突入した。公明党の支持母体である創価学会は反対勢力である立憲民主の候補の支援に回るという奇手を弄したが、公明党創価学会の支援を受けずに堂々の当選を果たす。お見事!それにしても政権与党にいながら、立民候補に投票をさせた公明党創価学会の下品さはいかばかりであろうか。

 神谷宗幣武田邦彦率いる参政党が1議席を確保したことも良かった。最終的な開票結果を待たなければならないが、朝日新聞の発表では社民党を上回っている。こういったまともな党派の登場がおもしろい。昨日の午後8時半の段階で、神谷氏は「1議席では喜べない」と言っているけれども、とにかく国政への足掛かりができたことは重畳。あとは選挙期間中に話題となった女性天皇の話で、作家の竹田恒泰さんとの討論は必ずしてほしい。そこでなにが正しいのかを認識して国政で頑張ってね。

 また小沢王国の岩手で小沢一郎氏の子飼いの候補落選は、王国の落日を象徴する結果となった。もうロートルなんだから小沢さん、引退したほうがいい。

 どちらにしても、安倍晋三さんを欠いた自民党にはかなりの注意が必要だ。フニャチンとリン外相では日本国の先行きが懸念される。菅元首相には安倍さんの穴を埋めてがんばって欲しいし、なんとか高市早苗さんを盛り上げて暴力団国家に対抗する術を持たなければ。

 そして繰り返すけれども、一刻も早く公明党とは縁を切ることが大切だ。このあたりが安倍さん不在ではとても心配なのである。