喪失感

 昨日から気分がややブルーだ。タイトルにも掲げた「喪失感」がその主要因であることは分かっている。

 昨日が年度末で今日が年度初めである。昨年度末をもって凸凹商事の社外役員部局の社員が退職した。この喪失感が大きい。

 一人は係長で、もう一人は担当だった。

 係長はワシャが現職の頃からの友人で仕事以外でも文化的な活動で交流があった。人柄がよく、物腰が柔らかい。誰からも評価される人で、ワシャはとても頼りにしていた。

 担当は、ワシャが退職して社外役員になってからの縁である。入社して10年ほどの社員だったが、社員時代には交流はなかった。年齢もずいぶん違ったし、部局で一緒になっていないと、なんやかやで2000人もいるような職場だから知らなくて当然と言える。でもね、ワシャと仲のいい副社長が採用をしていたと聞いて、「それなら使えるだろうな」と踏んでいた。実際に一緒に仕事をしてみると決断が早く、仕事の手際もいい。確かに使える社員だった。

 その二人が中途退職をした。もちろんそれぞれ交流があったので、かなり前から年度末に退職をすることは知らされていた。だから、気心の分かった仲間と小規模な送別の宴をやってもいる。

 でもね、実際に昨日の午後、二人が去り事務室の机がきれいに片つけられたのを目の当たりにすると、やはり寂寥感のようなものを感じますね。

 ここからが重要なんだけど、この二人がジンビーな女性だったことから、なおさらその存在感が大きく、ワシャの喪失感は一入なのである(笑)。

 この女性たちにこの2年支えてもらってきて、人一倍の仕事ができたと思っている。心から感謝をしつつ、しかしぽっかりと空いた穴は大きいなぁ(泣)。

 要するに甘えっ子なんですね。乳離れのできていないオッサンが偉そうにベルサーチのネクタイを締めて粋がっているだけなんでヤンス。

 

 夕べはさすがに飲んでも目が冴えてしまって、仕方がないので夢枕獏作・谷口ジロー画『神々の山嶺』(集英社)の第5巻を手に取りました。エベレストの山頂で孤独に凍てついた羽生丈二、彼の背を追ってたった一人でエベレストを彷徨する深町誠。この二人の寂寥感、孤独感、喪失感に比べれば、下世話で悩んでいる小人の悩みなど些末なことではないかと思い当たったあたりで睡魔におそわれ、本を持ったまま眠ってしまった。

 

 翌朝、つまり今朝起きたら「ケロリ」と元気になっておりましたとさ。てなわけにはいかないんですね。