皇統を破壊するものども

 午前8時前に、ワシャは凸凹商事に行ってきた。書類の束を鞄一つ分、自宅に持って帰るためにである。今日、某党の偉い人が凸凹商事にやってくるらしく、社外役員の何人かに声がかかっていた。毎日、朝から夕方まで凸凹の役員控室で仕事をしているワシャは必然的に某党の偉い人に会ってしまう。だが、ワシャは基本的に某党が嫌いなので、本日片づける予定だった書類を引き上げてきて自宅で仕事をすることにした。

 いつもはスーツか、あるいはジャケットにネクタイを締めてシャキッとして出勤するんだけど、早朝ということもあるので、ジーパンにダウン、頭もボサボサなのでキャップをかぶってマスクに眼鏡で出勤した。始業は8時半なんだけど、真面目な職員や年寄りの職員はすでに出勤している。

 ワシャが昔、書籍部にいた頃に部下だった女性が出勤で歩いていたので、「おはよ~」と声をかけたのだが、振り向いてワシャを視認するとキッとした眼で睨み返すだけだった。ううむ、気づいていないようだ。

 前から、凸凹商事の総務局の次長がやってくるので、これにも「おはよう」と挨拶を投げるのだが、険しい顔で会釈を返しただけでした。

 さらに行くと、それこそ公私ともに飲んだりボコボコにしたりしている元部下が、向うから歩いてくる。今度は手を挙げて「おはようごじゃいます」と、いかにもワルシャワ臭を出した挨拶を繰り出した。しかし、元部下はキョトンとした顔で通り過ぎていったのだった。

 結論として、マスクが定番となっている昨今は、人は普段認識している格好と、目・髪型で相手を特定していることが分かった。

 そんなことはどうでもいい。ワシャは書類をまとめて鞄に押し込めると、さっさと凸凹の社屋を後にした。そして自宅にもどったのだった。

 

 ここからが本題だ。

 今日は格調高く、作家の宮城谷昌光さんの「司馬論」のことを書こうと思っていたが、自宅に帰って点いていたテレビを眺めてしまったのが間違いだった。これじゃ。 https://www.fujitv.co.jp/mezamashi8/

 普段は出勤前のバタバタで見たことはなかった。しかし今日は資料を持ち帰ってホッとしてリビングのテレビの前に座ってしまったのだ。

 話題は、上皇陛下の米寿に絡めて、昨日開催された「安定的な皇位継承のあり方を議論する政府の有識者会議」の報告について、ゲスコメンテーターの・・・間違えた、ゲストコメンテーターの橋下徹古市憲寿、EXIT各氏が意見を述べていた。これがひどかった。フジテレビ、大丈夫かよ。

 有識者会議の報告については、ひとまず措くけれども、コメンテーターたちの意見が「まずは女系天皇ありき」だったことは悪意のある誘導だと思われる。橋下氏が冒頭に持論を述べる。この人、このところ親中発言で勇名をはせているが、皇位継承についてもやはり「伝統破壊」の方向に動いたか・・・。司会者は芸人のEXITのピンク頭氏のほうに話を振るが、彼は「よくわからないけど、男女平等のことを考えると女系天皇は必要だ」とかほざく。

 古市氏も、「女系天皇容認」を公言して憚らない。おいお~い、昨日の有識者会議では「女系天皇容認」なんて一言も出ていないぜ。出たのは「女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する」、「旧宮家の男系男子が養子として皇族復帰する」という2案の検討を政府に求めただけで、「女系天皇」のことなど1ミリも言っていない。

 しかし、朝から3人の有名人、そして司会者(こいつも有名人)までが「女系天皇容認」を唱えれば、午前中に「ワイドショー」を見ているような無知な大衆(敢えて言わせてもらうが)は、その方向に誘導されてしまうのだ。ある意味で橋下氏のやっていることは「皇室制度破壊のプロパガンダ」と言っていい。これを公共の電波を使ってやるのか、フジテレビ!

 古市氏は「皇室のあり方は時代とともに変わっていけばいい」と言う。生活様式などは当然そうなっていくものであるが、そこと皇室そのものを混同してはいけない。皇室には絶対に変えてはいけないものがあるのだ。万世一系、男系男子で皇統をつないでいく、これが日本の最大で最高の伝統文化なのである。これを知識もない、支那の影響を多分に受けたケチなタレントたちが泥を塗っていいものか、日本破壊工作の手を貸していいものか、フジテレビは放送局の矜持としてそのあたりをしっかりと考えろ!

 ああ、朝から頭にきた。