また夕方に登場します(謝)

 今日も午前中からスケジュールがビッチリで、どれも義理事ばかりでおもしろくもなんともないんだけど、出なければ仕方がないものばかりでおます。

 おそらく夕方には自由になると思いますので、もどったらその経緯なんかも書けるといいなぁ。

 朝飯をかき込みながら、テレビを見ると「ボクらの時代」が流れていた。中井貴一佐藤浩市三谷幸喜の鼎談で、これはおもしろかった。このことも書こうと思うのだが、時間がない。それでは、とにかく行ってきます。最初は、凸凹商事に出勤だ。

 

 夕方というか、夜です。再登場しました。いやはや今日はいろいろありましたぞ。まずは、JR車内でのハプニングを。

 

 朝、凸凹商事に出勤して、明日のための準備をする。それから地元の公共施設で開催している老人会に顔を出して、ひと仕事片付ける。その後、名古屋でのちょいとした祝賀会が開かれるので、そこにも顔を出すためにJRで名古屋に向かう。

 JRの快速に乗ったのが、11時に近い時間だった。けっこう混んでいて、当然のことながら座席には座れない。ワシャは車両の中央部まで入り込んで、右手で吊革に掴まりながら、左手でiPadを抱えてメールの確認をしていた。

 ワシャの左側には、どうだろう、20歳くらいの小柄な娘が大きな黒いナップザックを抱えて立っている。ホラン・千秋似の可愛い娘だった。小柄な子なので、吊革には掴まることができない。だから横座席の背もたれについている「掴むところ」(名前がわかりまへん)を支えにして、不安定な様子で立っている。なんだかゆらゆらしているなぁ……と思っていたら、ガクッと膝が崩れてしゃがみ込むような感じで通路にうずくまってしまった。およよ!

 隣に立っていた人が通路にうずくまってしまったんだから、そりゃびっくりしまんがな。助け起こそうと思ったのだが、ワシャの左手にはiPadがあって、咄嗟には手が出なかった。そうしたらね、その小柄な娘の奥にいた女性が手を出して、助け起こしてくれた。あ~よかった。小柄な娘は「すみません、すみません」と何度も詫びて、また、最前の体勢にもどった。ところがね、またグラグラとし始めて、今度はしゃがみ込むというよりも、転倒に近い体勢で通路に転んだのだった。ワシャの手にはまだiPadがある。だから、左手ではいかんともしがたいのだ。娘は倒れつつ、ワシャの左足にぶつかった。そこで倒れる衝撃を殺して、その後に床に倒れた。ワシャの左足のおかげでずいぶんと衝撃を吸収できたはずだ。今度は、しゃがみ込むというような状態ではない。完全に倒れてしまった。ワシャはあわててiPadを鞄にしまって、助け起こそうと思ったが躊躇した。さすがに若い娘である。いくら善意とはいえ、男のワシャが抱え上げるのもいかがなものか・・・と思っていたら、やはり先ほど助けた女性が、娘の脇から背に手を回して起こしたのだった。そうしたら、前のクロスシートに座っていた男性が立ち上がって席を譲って、その娘をシートに座らせることができた。

 ここからが、どうだろう、全部で20秒くらいの出来事だった。「熱中症で娘が倒れた」という情報が周辺の人に伝播していった。混雑した人の上を緑茶のペットボトルが飛んできた。それを受け取って娘に渡そうとするのだが、「いいです」と遠慮をするのだ。「栓は空いていないボトルだからとにかく飲みなさい」と娘に手渡すのだった。娘はやっぱり遠慮がちに、それでも2口くらい飲んだかなあ。

「緊急ボタンを押せ!」と誰かが叫んだ。その声にドア近くにいた男が反応した。もう刈谷駅のホームに入りつつある。それが分かったので、ワシャはボタンを押すまでもないと判断し、一喝した。

「ボタンを押すな!」

 ワシャの声はよく通るんですな。ボタンを押そうとしていた男はワシャの一喝でその行動を中止し、その瞬間に電車は停車、ドアが開く。

 ドア近くにいた男は、ホームにいた駅員に声を掛けている。

 ワシャは、「大丈夫か?」と娘の様子をうかがう。助け上げた女性も真剣なまなざしで娘を見ている。娘は「大丈夫です」と言っている。駆けつけてきた駅員が混雑する人の頭の向こうから「急病なら降りますか?」と問いかけている。

 ワシャは再度「大丈夫か?」と訊き「降りたほうがよくないか?」と付けくわえた。

 娘はしっかりした顔で「大丈夫です」と答えたので、入り口から覗く駅員に「大丈夫です」と応えた。

 電車は刈谷駅を何事もなかったかのように静かに滑り出した。

 

 娘はお茶を飲んで幾分落ち着いたところで、ワシャがちょっと強い口調でこう話しかけた。

「また調子が悪くなったら言いなさい。遠慮なんかしなくていいから、みんな心配している。お互い様なんだからね」

 そう言うと、娘はか細い声で「はい」と答えた。

 娘を助け上げたオバサンも、ワシャの方を見て「ねえ」と頷いたのだった。お茶をくれた人も、席を譲ってくれた人も、一部始終を見守っていた人たちも、みんなに安堵感が広がるのがわかった。

 ワシャは娘に膝を貸しただけなのだが、説教をしたので、この車両のリーダーのような存在になってしまったのだった。

 娘はその後、お茶を何口か飲んで、シートで眠ったようだ。金山の手前で、目を覚ましたようだったので、ワシャは「もう大丈夫だろう」と判断し、なにも声を掛けずに下車したのだった。同じ車両に同僚が何人か乗っていたので、ホームで「ワルシャワが車内で騒いだ」という大袈裟な話にされてしまった。やれやれ。

 

 名古屋での義理事もおもしろいことがあったんですが、それはまた明日。