今朝の朝日新聞1面記事下広告に8冊の本が紹介されている。その中で3つ気になったものがあった。右から順に紹介しよう。
まず、日本尊厳死協会『最期の望みをかなえるリビングウイルノート』(ブックマン社)。この本の説明に《もしもの時にどうすれば?「人生会議(ACP)と「生前整理」をこの一冊で!》とある。もしもの時は死ねばいいと思っているので、そのことはどうでもいい。しかし、この次に《倉本聰、小泉純一郎、近藤正臣、北方謙三ほか名言が満載。》とあった。「倉本聰」とあると、ワシャの気持ちが揺らぐんですね(笑)。ただ、倉本さんがメインで書いていないので、購入までは至らない。でも書店にあれば一度手に取って見たい本だなぁ。
2冊目が、高森顕徹『歎異抄をひらく』(1万年堂出版)。コピーに《なぜ、無人島に一冊 もっていくなら『歎異抄』なのか。》とある。このコピーにビビビビビ!ときたのじゃ。
これは有名な話なんだけど、司馬遼太郎さんが学徒動員され戦地に赴くことになった時に、やはり「死」ということを考えざるを得なかった。数か月後には入営である。司馬さんはエッセイ「それでも、死はやってくる」(『司馬遼太郎が考えたこと』第1巻)でこう書いている。
《むろん数カ月という期限付解決については何の施すすべもなかった。(中略)手当たり次第に本を読んでみたし、人にも聞いてみた。が書物も人も、このようなギリギリのふんい気の中で行われる死との対決には、何となく程遠い生ぬるさを感じさせるだけであった。しかし、それでも、死は迫りつつある。》
最後の、「それでも死は迫りつつある!」で、司馬さんは『歎異抄』を思い出した。『歎異抄』にそんなようなことが書いてあったことを思い出した。『歎異抄』を熟読し、これに救われて司馬青年は、『歎異抄』とともに戦場にゆく。
これは買わなくっちゃ・・・と思ったけど、一応、どこかにあると悔しいので仏教系の棚を探してみたらあった。セーフ!
3冊目は漫画である。サメマチオ『人間臨終図巻Ⅰ』(福間書店)。なんだかラインナップが「死」にまつわることばかりだなぁ。朝日新聞の読者が、そろそろ棺桶に片足を突っ込んでいく世代だから、こういった宣伝が優先されているのかもしれない。
この本は山田風太郎の『人間臨終図巻』の漫画化であることも添え書きしてある。ということは、取りあえず山田風太郎のほうは全巻持っているので慌てて買うこともない。一度、書店で手に取ってからでいいね。