藪の中

 長野県上伊那郡宮田(みやだ)村のことである。かつてワシャはこの村にけっこう行っていた。ワシャに近い関係の人が長野県伊那市に住していたこともあったし、駒ヶ岳千畳敷カールにあった「駒ヶ岳スキー場」にも何度か滑りに通っていたので、宮田村は何度も訪っている。

 ズバリ、風光明媚な田舎だ。村の東は天竜川で隔てられ、天竜川南側は木曽駒ケ岳を源流とする太田切川で区切られている。市街地は天竜川が形成した河岸段丘にあり、それ以外は木曽の山また山の地域である。

 人口は8千人程度、北の伊那市が6万で南の駒ケ根市が3万なので、小さな自治体が狭い河岸段丘平野に並んでいるのだから、合併して10万都市にしたほうが、効率的だと思うのだが、過去に離合集散の因縁があるようなので、一つになるのは難しいようだ。

 この宮田村のニュースである。

《「民間企業に比べ公務員はだめ、視野が狭い」パワハラ疑惑の79歳村長が辞意表明「職員の信頼なければ組織を率いていけない」と決断 複数の職員が「やめろと言われた」「書類を投げつけられた」など訴え》

https://news.yahoo.co.jp/articles/2aa7328f1f1a60ea64489f205424f4f15bc1b1cd

 79歳の村長というのもいかがなものかとは思う。しかし、都市部であればちょっと大きめの町内会が8千人くらいはいる。そう考えれば、8千人規模の集団が長老をトップにするというのも判らなくもない。

 でも、しょせんジジイはジジイで、脳味噌も老化しているから、普段の言動、行動がパワハラにつながるのは必然だろうね。

「民間企業に比べ公務員はだめ、視野が狭い」

 そりゃあ山間の8千人の自治体だもの、一流の民間企業に比べれば、首長以下にそれほどモノのいい人材は来ないだろう。でも、故郷のために、地域のために、人生をかけて頑張ろうと村役場で頑張る職員は健気でありがたいと思わなくっちゃダメだ。

 さらに言えば、公務員を宮田村の職員ばかりでなく大きくとらえて言っているとすると、それもまた大雑把すぎるね。

「民間企業の社員」VS「公務員」で、「公務員はだめ」って言えないよ、じいさん。公務員にも優秀な人材はあまた存在する。でも財務官僚だってバカはバカだし、基礎自治体には盆暗官僚よりはるかにモノのいい公務員もいる。

 民間企業だってそうさ。大企業の上層部だってとんでもなくマヌケな幹部はいるし、中小企業の社員にも有能な人材は存在している。

 どちらにも、視野の狭いタワケはいるし、全体を俯瞰して捉え、最善の手を打てる策士はいる。

 同じ陸軍士官学校を出ても、部隊を全滅させてしまうバカ将軍もいれば、敵に打撃を与えつつも見事に部下を生還させた司令官もいるからね。十把一絡げでモノを言ってはいけない

 でも、この村長、引き際はしっかりしている。

《職員へのパワハラ疑惑などを理由に辞意を表明した。当初は村の顧問弁護士の調査を待って対応するとしていたが、「職員の信頼がなければ組織を率いていけない」として、結果を待たずに辞表を提出した》

 潔い。

 とすると流行にのってパワハラを主張している職員側に問題があったのかなぁ?そのあたりは外野からとやかく言っても仕方がないので、小声で言いますけどね(笑)。

 小さな村です。村役場の職員だって100人もいないでしょ。そうするとマヌケでテメエの保身ばかリ考えるようなこずるい職員が幹部になってしまうと、それは悲劇なんですね。そのことを村長が厳しく指摘したとも考えられる。

 まぁ全国1700もの自治体がありますから、それぞれのお家の事情があるんでしょう。

 ワシャの自治体でもマヌケな幹部がトップに立ってしまった部署は、まったくなにも動かなくなってしまいました。ああいうのに強く言うと「パワハラだ」て言い出すんでしょうね。

 まぁ宮田村のことも藪の中ということでありましょう。