バカみたいに本を溜め込んでいる。以前に新聞記者の友人が書庫を見て、呆れて帰っていったくらいだ。本は膨大にあるのだが、本人にそれが反映されていない。ただ貯めているだけなんですね。だから蔵書数は恥ずかしくて言えない。
本は家の中のいたるところにある。開架は3部屋あって2年前くらいからそこが満タンになって、オーバーフローし始めた。本を処分するのはホントに嫌なんですよ。だけど少しでも外に出さないと納まらない状態になってしまった。このため玄関の脇に大きなボックスを置いて、重複本や興味のなくなった著者、入手が簡単な本などに見切りをつけ、そこに投げ込んでいる。入れたら絶対に掘り出さない。それを鉄則にして、ある程度貯まったらブックオフに運んでいる。
ところが時おり後から「しまった!」という本が出る。調べ物をしていて「あそこの棚にあったな」と閃いて、該当する棚を探すのだが見当たらない。思い起こせば、あの時にこの棚を整理して何の気なしにその本をボックスに入れてしまった。あああ、やっちまったー。
魔がさしたように貴重な本をフッとブックオフに下げ渡してしまう。ブックオフにはバーコード読み取り機なんかを用意した古書業者が手ぐすねを引いていて、そういった貴重本はあっという間に持っていかれる。数日後に行っても後の祭り。
今でもその本の表紙が眼に浮かぶ。確かにここにあった。10年くらいは棚に、そして要らない本としてはみ出し、書庫のあちこちをたらい回しさた挙句に、ついに先日、確かにボックスに入れている。でも、諦めきれずにその本があった辺りを探してみるのだが、残念ながらないものはない。
こういうことがままある。だからなかなか蔵書の処分に踏み切れず、それでも頑張って処分をするとこういう羽目に陥る。
これも一重にワシャの不徳の致すところである。きっちりと読んで本の良さを理解していればこんなことにはならないのだが、本の良し悪しも見極められず、積ン読ばっかりにしておくからこういうことになる。貴重な本を捨て、駄本で棚を埋めることになる。ウジウジウジウジ……。
ええい、未練たらしい。さっぱりと諦めろ!
それにしても今朝は気持ちがいい。西に開いた窓からさわやかな風が入ってくる。樹木越しに見えるそらも秋高し。