探し物

 捜し物をしている。ミュシャのしおりである。こんなしおりを書店でもらった記憶はないですか?
http://www2.tokai.or.jp/kanata/mucha.htm
 どこかに挿んだはずだ。あるいは本を整理したときに捨ててしまったかもしれない。でも、本の間に息をひそめて隠れていそうなので、書庫の本を探しまくった。とはいえ闇雲に探したわけではない。とりあえず、邪魔になったしおりをあちこちに置いてあるのでそこから確認を始めた。机の、まさにこのパソコンの右側にトレーが積んであって、そこにしおりが100枚くらい溜まっている。「読書のときにしおりがいるから」ということで、読み終わったしおりを取っておいたものだが、あまり使わないので溜まる一方なのである。そことは別に、脇机(といっても180cm×90cm)の上に引出付のケースがあって、そこにも旅先で買ってきたしおりや歌舞伎座で入手したしおりなどがつまっている。そこも探してみると、おおお、ありましたぞ。「イヴァンチッチェの思い出」が2枚、「夢想」が1枚。
 つぎに手を付けたのが、講談社現代新書である。上記のURLのしたほうにある単色のしおり。これはミュシャの「ジョブ」のポスターの部分図が使われている。官能的な女性の表情が素敵だ。これを見つけるために、それこそ書庫中の講談社現代新書をめくっためくった。最近のは講談社現代新書の装幀は味気ない。装幀が■になってからはしおりもつまらない。だから、その前の黄色装幀のものを狙う。しかし、2000年代のものは「アジアのかたち」シリーズ
http://s.webry.info/sp/tsukubasonbou.at.webry.info/201307/article_18.html
が多く、それはそれでいいのだけれど、ミュシャではないからね。ミュシャのものは「美人画」シリーズという「アジアのかたち」の一世代前のカテゴリーにある。でも、これはなかなか見つからない。岸田劉生の「麗子像」、ファン・デル・ヴァイデンの「若い婦人の肖像」などは沢山出てくる。しかしミュシャには遭遇しない。
 来週、ブックオフに持っていこうと思ったボックスの中に、1991年10刷の、鷹羽狩行『俳句を味わう』(講談社現代新書)があるではあ〜りませんか。これはダブって持っているので1冊を処分しようと思ったんですな。一応確認をしておこう。パラパラめくると、あ〜ら不思議、ミュシャの手になる蠱惑的な女性のしおりが挿まっているではないか。やったー、「ジョブ」だった。
 その後、棚を眺めていたら、D・カーネギー『人を動かす』(HD双書)の天からしおりが出ていたので、確認すればミュシャの「四つの花」のうちの「アイリス」だった。すごい収穫だ。1時間余りで、都合5枚を見つけたのだった。めでたしめでたし。