仕事が好きですな(笑)

 昨日も、部下と打ち合わせたいことがあって職場に出向く。顔を出すと、週末に指示しておいた資料が出来上がっていた。それを読み込んで、何か所かの修正を指摘し、二、三点の課題について打ち合わせをする。休日だというのに、ワシャも仕事人間ですなぁ。これでは退職後が思いやられる。
 それでもね、仕事帰りに書店には立ち寄った。注文している本もなかったんだけど、習慣みたいなものですわ。棚をつらつらと眺めていると、夏井いつき『寝る前に読む一句、二句』(ワニブックス)を見つけた。
 数日前にある場所で地元の俳人と一緒になった。かなり高齢の方で、この辺りではブイブイ言っている人だ。その人に言わせれば「あんな女はダメだ」なんだそうな。テレビでやっている俳句添削も「子供の遊び」と切り捨てていた。俳句の世界がどうなっているのかはよく知らないが、その高齢俳人は夏井いつきに対していい感情は持っていないのがわかった。「だったら買ってみるか」と思った次第である。天邪鬼なんですね。
文庫のコーナーで、黒澤明の自伝『蝦蟇の油』(岩波現代文庫)を見つけた。先般、「七人の侍」の話を書いたばかりだったから、ちょいと興味が湧いたのだ。ぱらぱらと繰ってみると「小津」なんていう名前も出てきた。二カ所以上にピーンときたら本は買う。その他に雑誌を何冊か手に入れて店を出る。
 本屋に寄ったあと、ブックオフにも顔を出す。ざっと本棚を眺めていると、眼に引っ掛かる本があった。半村良『魔女伝説』(中央公論社)。『妖星伝』を始め半村作品は30年以上前にはまった記憶がある。ビニールでカバーされた古いタイプの単行本で年代ものである。でもねぇ……このところ小説はあまり読まないし、半村さんでは今更感が強いので、一度通り過ぎた。
 ううむ。でも『魔女伝説』というタイトルが気になる。星野之宣の『妖女伝説』みたいだしね。また、戻ってきて、取りあえず書棚から引っこ抜いた。
 およよ。
 表紙を見て驚いた。ミュシャの「四つの宝石」シリーズの「エメラルド」(下のURLの一番右)だった。
http://www.ntv.co.jp/mucha/works/detail15.html
 これで決定ですわ。ミュシャの「エメラルド」が本の装丁に使われているなんて。確かに「エメラルド」は魔女っぽい娘が怪物の頭に両手をのせて微笑んでいる。「この意味はなんなんだ〜!」と思ってしまったのね。
 その他にも「死生観」に関する本、支那史の関係本、風水関連などを購入して帰ったのだった。

 そうそう、黒澤明が『蝦蟇の油』の中で内務官僚について触れているところがあって、これがなかなか官僚の本質をついていておもしろかったが、時間がないのでまた明日。