白弓

《コース外スキーで男性行方不明 範囲広げ捜索を再開へ 岐阜》
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20170213-00000673-fnn-soci
 このニュースの岐阜のスキー場というのが「白弓スキー場」である。
およよ、ワシャの知っている場所だ。おそらく「わたしをスキーに連れてって」の大ブームの頃にスキーをしていた方でもおそらく知らない。苗場、志賀高原、八方とは格が違う。岐阜あたりでも、大日岳、鷲ヶ岳、御岳などの地域の拠点スキー場でもなく、地元小中学生相手の小規模スキー場だったと記憶している。
 ワシャは、八方、栂池などがホームゲレンデだった。しかし、日帰りをするには少し遠い。だから1日しか休みが取れないときは、奥美濃岐阜県)に走った。午前4時に西三河を出れば、早朝リフトの動く6時には奥美濃鷲ヶ岳スキー場に立っていた。
その頃はすでに就職していたので日帰りが多く、比較的近場の鷲ヶ岳に通ううちに、スキー学校の先生と仲良くなった。スキーの先生の自宅は鷲ヶ岳スキー場のふもとの集落にあった。もともと民宿を営んでいたということで、部屋数がかなりあって、そこに職場の友人を連れて大挙押し寄せたものである。泊ることは充分にできたが、しかし、風呂が狭かった。だから先生が「温泉に行こう」と誘ってくれた。「近いんですか」と確認すると、先生は自信満々に言った。
「すぐそこや?」
 と、奥美濃独特のイントネーションで、断言しているのだが語尾の上る言い方をした。
 たまたま先生の家に泊まり合わせていた10人が先生の車とワシャの4WDに分乗して「温泉」に向かった。
 国道156号、スキーヤーには「イチコロ」と呼ばれている。雪が降るとそこいらじゅうでゴツンゴツンと車がぶつかりコロコロと道路わきの田んぼに落ちるんでそう言われている。けっこうカーブも多く恐い道だった。その「イチコロ」を北上する。道も山もすべて銀世界である。白い闇の中を2台の車のヘッドライトが交錯するのみ。途中に御母衣ダム湖岸を走る。雪に埋もれていたのか、湖岸の「イチコロ」にはガードレールが見当たらない。そんな道を30キロばかり行くと、平瀬温泉という町営の銭湯があった。銭湯に行くのに山道30キロですぜ。どこが「すぐそこや?」なものか(笑)。
その銭湯のある集落の北にあったのが「白弓スキー場」だった。
 冒頭のニュースよりも、思い出のほうが長くなってしまったわい。

 それにしても白弓あたりでバックカントリースキーは危険だと思う。そもそも山深いところで、バックカントリーに向いているかというと、誰も来ないところだから、手つかずの雪ばかりが広がっている。コースだって見当もつかない。道路も156一本しかないような場所で単独行動は、スキーというより冒険に近いのではないか。今朝の時点で安否は不明である。一刻も早い救出を祈っている。