昨日の夜の10時半頃、地元の消防団の詰所から帰ってくるときには雪はなかった。今朝、起きてきて庭を見たら樹木が雪を被っていた。深夜から未明にかけて雪が降り積もった。愛知県でも温暖な西三河で雪だから、他の地域では推して知るべしだろう。
 島根県松江市に住んでいた身内がこちらにやってきている。「愛知県は温暖で雪も少ない。とてもいいところだ」と言っていた。確かに。今日あたり松江は雪国になっている。おそらくこれが根雪になって、年末年始にはさらに積雪を記録するだろう。
 ワシャは若い頃に、奥美濃という豪雪地帯である時期を過ごしていた。親戚づきあいをしていたスキーの先生のお宅に年末年始をお世話になっていたのだ。そこで日課としていたのが雪下ろしである。なにしろ木造のお宅は雪が深くなってくるとミシミシギシギシと音を立てる。これはけっこう不気味だ。そこでワシャら若い者がスコップを手に屋根に上がるのである。最初楽しかったんですよ。でもね、何度もやっているとそれは大変な労力で、一屋根降ろすともうへとへとでスキーなんかやっている場合ではなかった。でも、スキーに行きましたけどね。
 雪下ろしという作業を一日しなければ、それが根雪となってさらに積もっていく。雪というのはけして軽いものではなく、その重みで家が潰れることもしばしばある。だから、雪国で高齢者が屋根に上がる。転落して死傷する事故も起きているし、転落後、雪の中で凍死するケースまである。
 松江では豪雪地帯ほどのことはなかろうが、それでも西三河と比べれば、雪に恨みは多々あったことでしょう。「とてもいいところだ」には実感がこもっていた。

 午前10時、一旦止んでいた雪がまた降り出してきた。ううむ、外に出るのも億劫だから、中谷宇吉郎先生の『雪』(岩波文庫)でも読んで過ごそうかなぁ……。

 あ!しまった。そんなのんびりしてはいられなかった。ある人に頼まれて、やらなきゃいけない仕事があったのだった。この日記のUPしてすぐに取りかからねば。