過去の記録は大切

 Y先生からいただいた文集に「読書感想文」のページがあって、そこにワシャの稚拙な文章が載っていた。本は、浅野晃『古代の英雄たち』(偕成社)。内容は、上代から平安朝までの日本史に則し、ヤマトタケル中大兄皇子菅原道真八幡太郎義家などが登場する歴史教科書がやや物語風になったものと思っていただければいい。感想文は平凡だ。書いた本人のワシャが読んでもフツーの小学生の感想文だった。
 ただ、ワシャが驚いたのは(というか驚くのはワシャだけだと思うが)、小学校6年の時は歴史が好きではなかったということである。今の今まで、ワシャは小学生の頃からずーっと歴史が好きなんだと思っていた。でも、思い返してみると、化学クラブに入っていたし、天文同好会にも入っていた。趣味は石集めだったし、『宇宙の神秘』などの宇宙関連本やSF小説が大好物だった。
『古代の英雄たち』も《はじめ、この本にはあまり興味がなかった。》と書きはじめているくらいだから。しかし、文末はこうだ。
《争いごとを治めようとした人たち、国をよくしていこうとつとめた人たち、いろいろな文化の上に現在の日本があるのだとぼくは考えた。そしてこれからは、うんと歴史の本をよんで、むかしの日本のことを知り、これからぼくたちの生きていく道を考えてみたいと思った。》
 下手な文章だが、それでもこの時期に歴史の面白さに目覚めたことはまちがいない。この時、この本が切っ掛けだったんだ。その後、うんと歴史の本を読んで、歴史好き、文化・伝統好きになった原点が再認識できたわい。