拾う神様

 高知県高岡郡の山間から一人の志士が出た。武市半平太の呼びかけに応じた者である。幕末京都での名乗りは所山五六郎、池田屋事件に関わり、後に自害している。19歳の多感な若者で、池田屋に行く直前には、本屋によって頼山陽の「日本外史」を求めている。本名は野老山吾吉郎(ところやまあきちろう)。ワシャの気に入っている望月亀弥太の朋輩である。
 東京オリンピックの新エンブレムの発表
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160425-00000012-wordleaf-soci&pos=1
を受けて、作者のお名前を知った。「野老(ところ)」という苗字が変わっていたので、すぐに吾吉郎を思い出したというわけ。「野老」とかいて「ところ」と読むのは珍しい。素直に「やおい」と読むほうが一般的だと思う。「野」は下に「土」をつけると「墅(しょ)」という字になる。別荘を「別墅(べっしょ)」と使ったりする。場所を現す言葉であるから、「所」という意味もある。
 野老さん、選ばれて良かったですね。藍でまとめられた市松模様、とても日本らしくていいと思いますよ。

《<新型出生前診断>異常判明の96%中絶 利用拡大》
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160425-00000007-mai-soci
 これについては、命の問題、人生の問題なので、ワシャのようなものがとやかく言うべきことではない。しかし、とてもうれしいことは、異常が分かっても妊娠を継続した女性が12人もいたことである。人間、まだ捨てたものじゃないなぁ、と心より思った。