農民の画

 ワシャの仕事に長期の盆休みはない。だけど、今週1日だけ仕事の隙間ができたので、急きょ休みを取った。それでね、ずっと行けなかった福本清三さんの主演映画「太秦ライムライト」を名古屋の新栄にある名演小劇場まで観に行った。
 福本さんの主演男優賞受賞のニュースが広がったので、混む可能性も含めて早めに出かけた。しかしワシャの見込みはあまく、30分くらい前には到着したのだけれど、とっくに満席になっていて門前払いをくらったのである。仕方がないので、名演小劇場から栄まで一人さびしく戻ったのだった。
 でもね、そんなことではめげない。ちゃんと滑り止めを用意してあったのじゃ。ボストン美術館「ミレー展」である。
http://www.nagoya-boston.or.jp/millet/
 ポスターは岩波書店でも有名な「種まく人」であり、その他にも「落穂拾い」や「晩鐘」で有名な画家ですよね。ミレーは農民画家として有名だが、それは農民の画家としてではなく農民を画く絵かきとして名を馳せたということ。
 確かに、ミレーはノルマンディー地方の農民の長男として生まてはいる。しかし、パリに出てからは農作業をいっさいしていない。だから「農民画」家と言われる。
 ワシャはミレーの絵は「種まく人」「落穂拾い」「晩鐘」もふくめてメチャメチャ好きというわけではない。「晩鐘」は少しいいかなぁ。でもね、ミレー展に並んでいたジュリアン・デュプレの作品群はワシャの好みにピッタンコカンカンだった。
 たとえば「干し草づくり」などは、風の流れや日差しの温かみまで感じられるような作品だ。
http://www.allartclassic.com/pictures_zoom.php?p_number=180&p=&number=DUJ010
 上記は「干し草づくり」ではないのだけれど、こんな雰囲気の作品です。舞う干し草や女性の右腕にあたっている陽光の感じが素敵でしょ。ワシャの好きな「干し草づくり」はもっと鮮やかなで、お見せできないのが残念なり。
 他の作品も以下で観られる。ただワシャの好きな「干し草づくり」はやっぱり見当たらない。
http://www.oil-painting-portrait.com/paintings/artist/Julien--Dupre.htm
 ジュリアン・デュプレの作品には勝間和代さんも出てくる。勝間さんの登場する作品は「ガチョウに餌をやる子供たち」。それは以下のURLをクリックしていただいて、少し下のほうまでスクロールすると、「Ⅴ章 ミレーの遺産」という章に3枚の横並びの絵が出てきて、その左側の写真に薄紅のスカーフをかぶっている勝間さんが出てくるでしょ。
http://www.nagoya-boston.or.jp/millet/point.html
 冗談はさておき、これらの絵画から、1800年代のフランスの農民は、まだまだ貧しかったということが見て取れる。それでも勝間さんをはじめ農婦たちはみな健康的で、子供たちもふくよかで幸福そうだ。デュプレの絵はトーンが明るいからいい。そう思っている。